Beast / ビースト (2022) 1829本目 『Trois / 日本未公開 (2000)』から始まり、これまでサスペンスやコメディ映画を量産してきたウィル・パッカー製作による本格アドベンチャー・スリラー映画。パッカーとは、『The Gospel / ゴスペル (2005)』以来という長…
Honk for Jesus. Save Your Soul. / 日本未公開 (2022) 1827本目 教会、もちろん全てのアメリカ黒人という訳ではないけれど、多くの人々にとってかけがえのない場所である。奴隷時代には、文字を学ぶことすら禁止されていたが、奴隷のオーナーによっては、教…
We can't take no more... 鑑賞後、あんなに高揚したのは久々だった。「良い映画を観た」という余韻と、「やってやるぜ、私もぉおおお」という高揚感。1%でも可能性が秘めていたラストだったからだろう。1980年のイギリス黒人の絶望感を描きながらも、観客…
Breaking / 日本未公開 (2022) 1828本目 「ベテラン」。日本語での「玄人、熟練者」みたいな意味でなく、アメリカ英語では「アメリカ軍を経験した人=退役軍人」と意味がある。本作でも当たり前のように使われている「VA」は、ベテランズ・アフェアズのこと…
The Woman King / 日本未公開 (2022) 1831本目 ダホメ・アマゾンズ、または彼らの言葉でアゴージェ。ダホメ王国の王に使える女性軍人のことだ。その存在は、200年も経て『Black Panther / ブラックパンサー (2018)』という虚像のスーパーヒーロー映画にも影…
良くも悪くもディズニー映画『セイフティ』 ディズニーが製作のアメリカンフットボールを舞台にしたヒューマンドラマ。アメフトでも、NFLではなく、NCAAと言われる大学フットボールが舞台。サウスカロライナ州クレムゾンにあるクレムゾン大のフットボールは…
ヒーローたちに切なキュン『オールド・ガード』 本作の監督ジーナ・プリンス=バイスウッドは私のテンションを上げる監督の1人。彼女の『Love & Basketball / ワン・オン・ワン ファイナル・ゲーム (2000)』と『Beyond the Lights / 日本未公開 (2014)』でキ…
原作が分からなかった人に薦めたい『Between the World and Me』 タナハシ・コーツといえば、今や説明も要らないくらい有名な作家であり、私にとってはマーベル・コミック版『ブラックパンサー』のストーリー担当の強者。そのタナハシ・コーツ著書『世界と僕…
ブルブル、ワクワク、フレッシュなホラー『獣の棲む家』 イギリス産ホラー映画。というだけで、今までにない感じでワクワクする。監督・脚本はレミ・ウィークス。聞いたことがないので、IMDBで検索してみると、本作が長編デビュー作になる。IMDBでも以前作っ…
器用な役者たちが楽しませる『ジングル・ジャングル』 フォレスト・ウィッテカー、アカデミー主演男優賞やカンヌ映画祭でも主演男優賞を受賞した言わずと知れた名優。だけど、歌えるの? と、正直思うが、歌えるんです! という、ミュージカル映画。あまり期…
老舗ホラーカルトは健在だ!『Tales from the Hood 3』 ブラックムービー的ホラー映画のカルトと言えば、先日も書いたばかりの『Candyman / キャンディマン (1992)』になるけれど、今回の作品のオリジナル『Tales from the Hood / 日本未公開 (1995)』もです…
オーリーの強さが気の毒である『ヘヴィ・ドライヴ』 新型コロナウイルスのせいで待機作品が増えておりますが... 中でも楽しみなのが、『Candyman / キャンディマン (1992)』のリメイク作品『Candyman / 日本未公開 (2020)』!! 最近では、仕方なく配信が増…
彼らの「約束の地」とは?『パス・オーバー』 最近、スパイク・リーが意欲的にやっているなーと思うのが、舞台の映画化。うん? 舞台の映画化というか、舞台の映像化と書いた方がいいかな。舞台を映像として残す形。前は、ロジャー・グーンヴァー・スミスの…
デヴィッド・バーンが描くユートピア『American Utopia』 スパイク・リーが監督だから観ました。スパイク・リーが監督するくらいだから、何かあるのだろうと。デヴィッド・バーンやトーキング・ヘッズについては詳しくないが、こんなに楽しいコンサート/ミ…
アフリカ系アメリカ人の移動に関するトラウマ『Driving While Black』 夫に面白かったよと薦められて観たドキュメンタリー映画。PBSにて放送。タイトルとなっている「Driving While Black」とは、アフリカ系アメリカ人ドライバーは、運転中でも人種的プロフ…
ミーク・ミルを見よ!『Charm City Kings』 今から書くことは、人によっては驚くかもしれないけれど、私の本心であり事実。この映画の舞台は、メリーランド州ボルチモア。ボルチモアでは、オフロードバイク文化がある。というのは、以前に製作されたドキュメ…
ウェズリー・スナイプスxRZAならば...という後悔『Cut Throat City』 ウータン・クランのリーダー、RZAが監督を担当したハリケーン・カトリーナが舞台のクライムストーリー!! って、!を2つもつけて煽ってみました。RZA監督と言えば、『The Man with the…
ザ・マイケル・ジェイ・ホワイト劇場『Welcome to Sudden Death』 ジャン=クロード・ヴァン・ダムの『サドン・デス』続編が、25年ぶりになぜかマイケル・ジェイ・ホワイト主演で製作! いや、本当に「なぜか」な訳です。脚本は、オリジナルの脚本を書いたジ…
ただ観て感じるだけじゃない、何より楽しい『ハミルトン』 こんなに話題になった舞台は聞いたことがないというくらいに、話題になった舞台を撮影し映像化した作品。当初は、劇場公開が予定されていたが、新型コロナウイルスのせいで残念ながらディズニー+に…
快感に辿りつけるか?『Antebellum』 これは前置き少なく書こう。ジェイーZの『Kill Jay-Z』の監督、ジェラルド・ブッシュとクリストファー・レンズのコンビが監督と脚本と制作担当。『Get Out / ゲット・アウト (2017)』の製作チームが製作しているが、ブラ…
LAの反逆者たちのDNA『Residue』 数多く存在する映画の中でも私が熱心に一番勉強している(そして、もっとしたい)のは、「LAの反逆者たち」。70年代にUCLAの映画学科で学んだ若者たちです。パム・グリアの自伝の中に、LAに来たばかりのデビュー前の頃に「UC…
パワー絶大なスター・パワー『プロジェクト・パワー』 ジェイミー・フォックス主演のスーパーヒーロー映画。ジェイミー・フォックスもNetflix作品に出るのかー! というのが最初に思ったこと。とは言え、ウィル・スミスだってNetflix作品があるのだから、そ…
40歳になるのも悪くない『40歳の解釈: ラダの場合』 こちらの作品に関しては、映画秘宝1月号に全て込めさせて頂いたので、そちらで読んでくださいませ。よろしくお願いいたします。映画秘宝 2021年1月号 [雑誌]発売日: 2020/11/21メディア: 雑誌(5点満点/1…
歴史から学ぶこととは『Emperor』 最近、特に思う。歴史を知っているようで知らない。そして、歴史を知ることの大切さを。歴史を知ることの大切さは、過去の失敗or成功を今に活かせること。例えば、今世間を苦しめている新型コロナウイルスだって、過去のス…
Fatal cliche『誘惑は死の香り』 このようなセクシー系スリラー・サスペンス映画の時にいつも書いているけれど、なぜか人気のジャンルで毎年何本も作られる。今回は、『Boyz N The Hood / ボーイズ’ン・ザ・フッド (1991)』のニア・ロングと、『Juice / ジュ…
演者の巧さがドキュメンタリーを思わせる『テキサス・ロデオ』 テキサス州サンアントニオを舞台にしたインディペンデントのロデオ映画である。 と、言われましても??? ですよね。黒人ロデオ文化はあんまり語られていないけれど、割りと歴史も古く深い。我…
ダイアナ・ロス継承、最高潮ディーバが堪能できる『ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢』 トレイシー・エリス・ロス、R&B女王ダイアナ・ロスの娘である。テレビで活躍しており、黒人が主役のテレビ作品は映画以上に日本では放送されないので、日本では恐…
良い困難に立ち向かうのは必要な困難『John Lewis : Good Trouble』 先日、7月17日惜しまれつつ他界したジョン・ルイス議員。彼の葬儀は、故郷アラバマ州トロイ・セルマ・DCと各地で何日にも渡って行われ、国葬とも思えるほどに執り行われた。何度も書いてお…
6月19日を祝う意味と祝った後は...『Miss Juneteenth』 タイトルになっている「Juneteenth(ジューンティーンス)」分かりますか? 6/19なのです。今年辺りは結構大々的に祝われました。1865年6月19日、テキサス州ガルヴェストンという港町に、南北戦争時に…
死なない、増えるだけだ!『ザ・ファイブ・ブラッズ』 先日も書いた通り、この作品についての思いは全て映画秘宝9月号に書き残しましたので、紙面で読んでくださいませ。(追記:このように下書きしており、9月号発売中の時にアップしたかったのですが、だい…