De youth dem just tun wild, it's War amongs' the rebels Madness, madness, war
『Babylon / バビロン (1980)』日本上映の際にコメントをしたので、こちらの作品もありがたいことに一足お先に拝見させて貰いました。『バビロン』と同じフランコ・ロッソ監督作品。本作のタイトルにもなっているリントン・クウェシ・ジョンスンの『Dread Beat an'Blood』レコーディング風景を中心に、彼を取り囲む日常を追ったドキュメンタリー。これがまた...
熱い。『バビロン』にも感じた熱さ。だけどその熱さが少し違う。『バビロン』が赤く激しく燃え上がる熱さならば、『ダブ・ポエット リントン・クウェシ・ジョンスン』は静かに煌々と青く燃え上がる熱さ。リントン・クウェシ・ジョンスンの性格が反映されているのだろう。祖国ジャマイカのルーツを大切し、理路整然とイギリス生活の大変さを詩にしている。そして何よりも行動が伴っている人である。
『バビロン』もそうであったが、スティーヴ・マックイーン監督の『スモール・アックス』でも描かれていたこの時代の問題点を切に感じることができる。フランコ・ロッソがこういった問題にとても深く関心を抱き、寄り添っていたからだからだろう。彼自身の熱が2作品に残っているので、40年以上経った今でも人々の心を抉るのである。そして、それに対して反抗し続けた人がいたというのを改めて知る。さらには若者たちへの支援を惜しみなくして、行動で示していた。当時の息づかいと緊張感を感じる純度が高いドキュメンタリー作品。そして何よりも彼が詠む「詩」は、心に残しておきたい沢山の良い言葉が詰まっている。特に最後の言葉が強く残る。『バビロン』もだが、最後がビシっと決まっており、余韻が強い。
(4.75点/5点満点中)