SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて


*10/15/2018に「ブラックムービー ガイド」本が発売になりました!よろしくお願いします。(10/15/18)

*Fridayデジタルにて「激ヤバで面白い『ブラック・クランズマン』はトランプへの挑戦状!」というコラムを寄稿。(3/20/19)
*映画秘宝 5月号にてブラックムービー、スパイク・リー、『ブラック・クランズマン』、『ヘイト・ユー・ギブ』を寄稿。(3/20/19)
*映画秘宝 4月号にて『ビール・ストリートの恋人たち』&『グリーンブック』レビューを寄稿。(2/21/19)
*DU BOOKS 「ネットフリックス大解剖 Beyond Netflix」に『親愛なる白人様』について寄稿。(1/25/19)
*映画秘宝 3月号秘宝ベスト&トホホ10&ドラマ・オブ・ザ・イヤー2018に参加。(1/21/19)
*リアルサウンドにて「ブラックムービーの今」というコラムを寄稿。(1/3/19)
*『ブラック・クランズマン』マスコミ向け試写会用プレスにスパイク・リーについて寄稿。(12/19/18)
*映画秘宝 1月号にて『マイ・サンシャイン』とオールタイム・アメコミ映画キャラ総選挙!に参加。(11/21/18)
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映画秘宝 11月号にてアメリカン・コメディ最新事情のコラムを寄稿。(9/21/18)
*映画秘宝 10月号にてエチオピア映画『チャイルド・マリッジ- 掠奪された花嫁』について寄稿。(8/21/18)
*別冊映画秘宝アメコミ映画完全ガイド2018にて黒人スーパーヒーローの歴史と『ブラックパンサー』について寄稿。(6/27/18)
過去記事

映画秘宝 6月号

映画秘宝 6月号

2019/04/20(土)発売の映画秘宝6月号の「サノスの倒し方大全!」特集に寄稿しております!ヒーローに夢中になるあまり、どうやって悪役を倒そうか?と真剣に考えていた小学生時代を思い出させる企画で、凄く楽しい妄想が出来て幸せでした。ご依頼のメールを朝一で読んだ時には思わず笑ってしまいました。これが仕事だなんて、私は幸せ過ぎる!と実感いたしました。ニヤニヤしながら書いたので、私らしい感じになっていると思います。私の所には素敵な人が勇ましいカッコいい姿で載ってまして、凄く嬉しい!今回は公開ラブレターどころか、公開プロポーズしております。あのお方に。

映画秘宝 2019年 06 月号 [雑誌]

映画秘宝 2019年 06 月号 [雑誌]

是非よろしくお願いいたします!表紙に書いてある「芋男爵ジョン・C・ライリー」とか「コカイン映画特集」などのパワーワードも気になるよね。表紙のオコエ姉さんもウォーマシンもかっこいい!

The Boy Who Harnessed the Wind / 日本未公開 (2019) (VOD) 1681本目

悲劇をソーラーパワーで跳ね返す!『The Boy Who Harnessed the Wind』

キウェテル・イジョフォーの初監督作品。イジョフォーと言えば、オスカーの作品賞を獲得した『12 Years a Slave / それでも夜は明ける (2013)』が有名ですが、私は『Dirty Pretty Things / 堕天使のパスポート (2002)』からの『Kinky Boots / キンキーブーツ (2006)』というふり幅でイチコロっちゃった者です。ギャップというか、そういうふり幅のデカい俳優が私のツボかもしれません(町田啓太も『スミカスミレ』からの過去作『スキマスキ』のふり幅でヤラレた口)。そんなイジョフォーが初監督に挑んだ作品は、実話ウィリアム・カムクワンバのベストセラー自伝『風をつかまえた少年』の映画化。イジョフォー自らが脚色。力入りまくった渾身の処女作でございます。

2001年マラウイ。農家に生まれ育ったウィリアム・カムクワンバ(マクスウェル・シンバ)は、ラジオなどの修理が得意だった。もうすぐ学校が始まるので、新しい服を買ってもらって大喜び。学校が始まり、分かったのが、お姉ちゃんが先生と付き合っていることだった。そして、最近は天候が悪化し、農作物に影響が出始め、家計が苦しくなっていた。お姉ちゃんが先生とキスしている所を目撃し、先生の自転車にイタズラしようとして、自転車ライトの仕組みを知り気になりだした。周りは畑を売ってお金にしたが、父(キウェテル・イジョフォー)は断固として売らず、益々家計が苦しくなり、しかも天候は悪化する一方。しかも頼りの酋長は大統領に歯向かい... ウィリアムはそんな状況の中、ソーラーパワーの水ポンプを考えつくが...

嗚呼、悲劇に次ぐ悲劇... 辛すぎる連続。それでも、ウィリアム少年が健気でたくましい。父も厳しいけれど、芯は優しい。こういう時って国は助けないよね。それまで取るもの取っておいて、本当に酷い。でも時々光明が見える。ウィリアム少年の勉強シーンが最高でしたね。そういえば、私がすっかりハマってしまったドラマ『初めて恋をした日に読む話』でも塾長が言ってましたね。「塾なのにたまに遊園地にでも行ってきたかのような顔をする生徒がいる。分からなかったことが分かるようになるってそれくらい楽しいものなんですよね」と。モーターの話を聞くウィリアム少年の顔がまさに「遊園地にでも行ってきたかのような」顔でした。それでもお金を払っていないということで悲劇が起きる。教育はどこの国も補償されますように!と願う。勉強したい子供から取り上げるのはどうにかしている。ソーラーパワーより熱い、ウィリアムの情熱は素晴らしいんですよ。

ところで、キウェテル・イジョフォーは両親がナイジェリアからイギリスに渡った移民2世なのだけど、時々台詞にマラウイの言葉を混ぜている。凄い勉強家だなーと。ナイジェリアとマラウイは地理的にも離れているので、言葉の接点はそんなに無さそう。祭りみたいなシーンもインディペンデント映画系若手監督って感じで絵が綺麗で最高でした。はい、また別のふり幅見せられて、やられました...

それにしてもこういう子供が悲劇にもめげずに頑張る『おしん』系の作品は、元気貰えますね!負けてられない!!って思わせてくれます。

(4点:1681本目)
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What Men Want / 日本未公開 (2019) 1680本目

ザ・王道ラブコメ『What Men Want』

メル・ギブソン主演『ハート・オブ・ウーマン』を、タラジ・P・ヘンソン主演で性別入れ替えでリメイクした作品。性別入れ替えリメイク、最近の流行りだよね。『潮風のいたずら』をリメイクした『Overboard』もそうだった。監督は、『ロック・オブ・エイジズ』のアダム・シャンクマン。脚本は、『Drumline / ドラムライン (2002)』や『ATL / 日本未公開 (2006)』のティナ・ゴードン・チズム他。プロデューサーに、『Think Like A Man / 魔法の恋愛書 (2012)』のウィル・パッカーなど。

大手スポーツエージェントでバリバリに働くアリ(タラジ・P・ヘンソン)。昇進間近だと自分でも実感できるほど、仕事には自信があった。しかし、会社は男社会。仲間はずれにされているのを常に感じ、女性であることが昇進できない理由だと思っていた。そして昇進に失敗。NBAのドラフト1位指名候補のジャマール(シェーン・ポール・マッギー)を顧客として獲得出来れば、今度こそ確実に昇進出来ると確信した。そして、プライベートではバーテンダーのウィル(オルディス・ホッジ)と一晩過ごすが、息子が居ると知りそそくさと去ってしまう。そして、友人たちが呼んだ霊媒師(エリカ・バドゥ)が入れたお茶を飲んだところ、トリップ状態になり、羽目を外したクラブで踊っていたら頭を打ってしまう。目覚めたら、男性たちの心の声が聞こえるようになっていた...

と、リメイクなんだけど、割りと設定を変えている。最近のリメイクって割りとそのままのことが多いので意外。ウィル・パッカーらしい、棘がない今どきなコメディ。ウィルの息子の「ワカンダ・フォーエバー!!」のシーンは面白かった。あの位の若い子が「ワカンダ・フォーエバー!」をやることに大きな意味がある!あと、スポーツエージェントが舞台になっているので、カメオが多い!でもなぜかNBA選手ばかり。アトランタ・ホークスのジョン・コリンズとか、ミネソタ・ティンバーウルブズのカール=アンソニー・タウンズ(これに続き2度目!)に、引退したグラント・ヒルや、『Uncle Drew / アンクル・ドリュー (2018)』にも出ていたリサ・レスリーシャキール・オニールが出演。と、NBA選手の名前で文字数を割いた。と、余り書くことが無いんですわ。まあ普通の思った通りのラブコメエリカ・バドゥはこういう作品よりも、『The Cider House Rules / サイダーハウス・ルール (1999)』のような作品の方が彼女の才能を発揮できるかも。霊媒師ぽさはあるんだけどね。相手役のオルディス・ホッジは合っていた。彼は本当に恋愛作品上手い。なぜか彼が映画とかで恋愛していると、頑張れ!と思っちゃう。応援したくなる。相手の受け止めかたが優しい。少女漫画に出てくる何でも分かっているカッコいい主人公みたい!そして何かと話題のピート・デヴィッドソンが出ているが、身長高くて驚いた。気になったので調べたら、183㎝-188㎝とハッキリした数字が出てこない。見た感じだと188㎝ありそう。と、またどうでも良い事で文字数割く。

なんていうか、普通のラブコメです。普通に笑える感じの。でも、私が1年後この映画の事で思い出せるとしたら、相手役のオルディス・ホッジのことでしょう。っていうか、なんでタラジ・P・ヘンソントレイシー・モーガンの2ショットポスターがあるんだろう?ここまでトレイシー・モーガンの名前が出ないほど、映画にはあんまり関係ない役。ちなみにジャマールの父役。ポスターセンスないよね。野球2つ持ったタラジ。まあ、何か色々と意味あるんだろうけど(多分下ネタも?)、酷い。

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(3.25点:1680本目)

While I yet Live / 日本未公開 (2018) 1679本目

織りなす歴史と愛情『While I yet Live』

先日書いた『Hale County This Morning, This Evening / 日本未公開 (2018)』と一緒に放送されたショートドキュメンタリー。ショートだし、同じアラバマ州なので『Hale County』と一緒で書こうかと思ったけれど、長くなったので別に。監督は、デビット・オイェロウォがダイアン・ウィーストと共演している『Five Nights in Maine』のマリス・カラン。

アラバマ州に正式にはボイキンという町名だが、ジー’ズ・ベンドと呼ばれている小さな町がある。町はアラバマ川に囲まれ、川沿いに北上するとセルマがある。60年代の公民権運動で、キング牧師が率いたセルマからモントゴメリーの行進で知られるセルマ。そのジー’ズ・ベンドは、黒人コミュニティで、町には伝統があった。女性たちが作るキルト。彼女たちが作るキルトは、今ではアートとなり博物館に展示されるほどとなっている。その歴史や作る人々を追う。

20分もないショート映画でしたが、面白かった。この町がジー’ズ・ベンド(Gee's Bend)と呼ばれているのは、ジョセフ・ジーという男がプランテーションを始め、そしてこの町を囲むようにアラバマ川が屈曲(ベンド)しているからだ。その後、土地が別の人に売られたりなど色々あったが、奴隷解放宣言後もこの町に住み続けた人たちが彼らの祖先だ。小さい町ゆえ、色々と大変だった。そんな中、女性たちは「子供たちを温めるため」に布を繋ぎ合わせキルトを作り続けた。作る人々はもう高齢となっていたけれど、中にはセルマの行進に参加した人たちもいる。そしてキング牧師もこの町を訪れている。80年代に彼女たちのキルトが脚光を浴び、彼女たちや町が豊になると期待されたが、彼女たちには何の利益にもならず、利用され搾取されただけだった。

これ観て思い出したのが義祖母。いつだったか、里帰りした時にキルトの大きなカバーをプレゼントしてくれた。黒人女性から手作りキルトをプレゼントしてくれる意味みたいのを何となく理解していたので、本当に嬉しいプレゼントだった。家族として義祖母の歴史や思いを織りだしていかないと、と思った。この映画を観ると、あの時の嬉しさが再び蘇る。大事にしまってあるので、久々に広げてみたくなったし、今はもう居ない義祖母が恋しくなった。

ジー’ズ・ベンドのことは、私も正直知らないことだらけだったので面白かった。でもショート映画なので、詳細を知るのにはもっと調べた方が良い。なのでリンク貼っておきます。

  • キルト作品

Gee's Bend Quiltmakers | Souls Grown Deep Foundation

Fabric of Their Lives | Arts & Culture | Smithsonian

  • ジー’ズ・ベンド・キルトの歴史

History and Geography

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(4.5点:1679本目)

スパイク・リーと『ブラック・クランズマン』

スパイク・リーと『ブラック・クランズマン』

Fridayデジタルにて、スパイク・リーと『ブラック・クランズマン』について寄稿しております。しかもスパイク・リーの62歳となるお誕生日に!って、スパイク62歳かー!若いね。まだまだこれから!挑戦し続けるスパイク。全くブレないその姿勢。なぜその信念を曲げないのか?そんなスパイクが記事からは垣間見られたら幸いであります。とにかく、この映画を観て欲しい!そう思いながら書きました。

お知らせ続きで大変申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

friday.kodansha.co.jp

映画秘宝 5月号

映画秘宝 5月号

3/20(水)発売の「平成が終わる。映画秘宝は終わらない」の映画秘宝5月号にて、平成ブラックムービーのベスト5とスパイク・リー作品ベスト5、それに付随してスパイクの『ブラック・クランズマン』レビュー、そして別のコーナーにて『ヘイト・ユー・ギブ』についてと、楽しい企画に参加させて頂きました。

平成30年間分のブラックムービーの歴史を振り返るのは、楽しかった。お話し頂いた時に、担当者さん(というか私のメンターであり恩人)からあの映画もなんですよと教えて頂き、あの映画から始まるんですね!これは何という運命的な平成ブラックムービーの歴史!!と、ワクワクしながら書きました。平成ってブラックムービーには割りと濃い。30年って短いようで、割りと長い。振り返りながらそんな風に思って書きました。さて、あの映画とは何でしょう?紙面にて。スパイクの方も同様です。スパイクにとって、とても濃密な30年間。色々あったけれど、最後は先日のアレに全てが繋がるわけです。他にも好きな作品はあるけれど、断腸の思いで5作品選びました。他の方も色んなジャンルでベスト5を選んでらっしゃるみたいでして、映画秘宝さんらしくマニアックに攻めていると思います。


『ブラック・クランズマン』と『ヘイト・ユー・ギブ』のレビュー、とにかく両作品ともに観て欲しい!ちなみに2018年映画秘宝のベストテンで、私の2位が『ブラック・クランズマン』で3位が『ヘイト・ユー・ギブ』でした!何と言う偶然。横の写真は(今日の写真に使いたかったけれど、縦長だとツイッターなどで表記が変なことになるのでこの横に置いておきます)、お腹にある「Thug Life」のタトゥを見せびらかすトゥパック・シャクール。紙面でなんで横の写真がトゥパックか分かると思います。ちなみに私も「Only God Can Judge Me」ヘビロテして書きました。2パックよ、永遠に!

是非、よろしくお願いいたします。

映画秘宝 2019年 05 月号 [雑誌]

映画秘宝 2019年 05 月号 [雑誌]

Hale County This Morning, This Evening / 日本未公開 (2018) 1678本目

住民にしか分からない何かを伝える美しさ『Hale County This Morning, This Evening』

2019年アカデミー賞にノミネートされたドキュメンタリー。この映画の監督ラメル・ロスは、アラバマ州へイル郡で写真とバスケットを教える為に引っ越したのを機に、そこでカメラに収めることにした。実は、この監督、あの大学バスケの名門ジョージタウン大でバスケ奨学金でやっていたくらいの人物。ジョージタウン大のバスケといえば、パトリック・ユーイングアレン・アイバーソンアロンゾ・モーニングという大物選手ばかりを輩出していたところで、彼らのコーチであるジョン・トンプソンは黒人コーチとして初の大学バスケチャンピオンとなった伝説の人である。多分、ラメル・ロスがジョージタウン大でプレーしていた頃はトンプソンの息子ジョン・トンプソン3世がコーチの頃だと思う。でもロスが大学2年の頃から怪我が多くなり、NBAには行けないと悟り、社会と国語(アメリカ文学)や政治を大学で学び、何気なく撮っていた写真がESPN(スポーツチャンネル)に認められ、それで写真を真剣に学ぶようになったという、人生何転もしてたどり着いた写真というか映画でアカデミー賞候補ともなった、このドキュメンタリーを!(バスケ好きだから前置き長くなってゴメン。バスケ好きならこの凄さ分かってくれる筈!)

2009年、監督ラメル・ロスはアラバマ州に引っ越した。写真とバスケットボールを教える為。へイル郡という、アラバマ大学があるタスカルーサ近くである。そこで、ロスはカメラを回し続けた。

としか説明できない位、このドキュメンタリーにはテーマがない。普通のドキュメンタリーなら、キング牧師の人生を振り返ってみましょうとか、アメリカの大統領の歴史を追いましょうとか、アメリカの日系人の歴史でも紐解いていきましょう...など、様々な大きなテーマっていうものがあるのが普通。でも、このドキュメンタリーにはそれがない。ただただ淡々とアラバマ州へイル郡でカメラを回すだけ。カメラに向かって話す人もいなければ、インタビューに答える人もいない。とても斬新なドキュメンタリーなのだ。でも一応、何人かは数回に渡ってカメラに登場してくる。この地域では殆どの人(黒人住民)は、キャットフィッシュ(なまず)の会社で働いている。恐らく、キャットフィッシュを加工というか、皮とか内臓とかを取り除いてフィレや唐揚げ用に切る作業の工場。そこで働いている30代位の女性の話。話は仕事での愚痴というかなのだけど、南部の人たちが呼んでいる「カントリー・マウス」だった。訛りとかも違う、南部の人々独特の言い回しとか間とか。若い20代位の男性が話していたのは凄く素敵だった。『銃なき世界』という映画を作ればいいのにと。「銃がない世界っていうのを俺たちは一度体験してみればいいんだ」と語っていた。話が素敵なんだけど、妄想のその映画は子供ぽくて可愛い。かと思えば、子供がただただ走る映像に、警官に止められた時の映像、そして夜道に鹿が登場してしまい動けずに立ち往生する映像...何気ない映像ばかりである。しかもその映像が、さすが写真家という感じで美しい。写真家から映画監督への転身といえば、『Shaft / 黒いジャガー (1971)』のゴードン・パークスが有名だが、彼と同じく色が鮮やかで光の使い方が上手い。最近で言えば写真家ではないが『Moonlight / ムーンライト (2016)』のバリー・ジェンキンス作品を思わせる映像の美しさだ。

タイトルのカウンティを「郡」と訳してみたが、アメリカのカウンティは日本とは違って住所には載らないので、州外の人は知らないことが多い。アメリカには州があり街がある。それで充分に通用し、それで郵便が届く。へイル・カウンティと聞いて場所がピンとくるのは、恐らくアラバマ住民の一部であろう。でもアメリカで生活していると、割りとカウンティは存在感がある。私が住んでいる所ならば、車の運転免許や税金に選挙などがカウンティごとの管轄であり、竜巻などの注意報もカウンティごとに注意報が出る。このドキュメンタリーはそんな風に住んでいる人にしか見えてこない淡々とした何気ないアラバマの暮らしを美しくも正しく伝えてくる記録映像だ。

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