SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて


*10/15/2018に「ブラックムービー ガイド」本が発売になりました!よろしくお願いします。(10/15/18)

*映画秘宝 12月号にて『ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路』について寄稿。(10/21/20)
*映画秘宝 11月号にてチャドウィック・ボーズマンの追悼文を寄稿。(9/19/20)
*映画秘宝 10月号にて『サミュエル・L・ジャクソン in ブラック・ヴァンパイア』、『行き止まりの世界に生まれて』について寄稿。(8/21/20)
*映画秘宝 9月号にて『ザ・ファイブ・ブラッズ』レビュー&キャスト、最新ブラックムービー&ドラマ10選、ブルース・リー『Be Water』レビューを寄稿。(7/21/20)
*ミュージック・マガジン 8月号「ブラック・ライヴズ・マター」特集の「映画ガイド」にて29作選出、11作を解説を寄稿。(7/20/20)
*FRIDAYデジタルにて「映画が描いてきた「Black Lives Matter」の深層」というコラムを寄稿。(6/18/20)
*映画秘宝 7月号にてスタンダップコメディと『ウォッチメン』について寄稿。(5/21/20)
*FRIDAYデジタルにて「新型コロナ ルポ・アメリカ南部のいま」というコラムを寄稿。(4/27/20)
*Cinra.netにて『黒い司法 0%からの奇跡』について寄稿。(2/28/20)
*FRIDAYデジタルにて「オバマ前大統領は映画プロデューサー」というコラムを寄稿。(2/4/20)
*『黒い司法 0%からの奇跡』にコメントをしました。(2/4/20)
*Cinra.netにて「映画界に進出したラッパー百科」というコラムを寄稿。(1/27/20)
*映画秘宝 3月号秘宝ベスト&トホホ10&ドラマ・オブ・ザ・イヤー2019に参加。(1/21/20)
*Cinemoreにて定期的に映画について書いております。
*映画秘宝 1月号にて『ルディ・レイ・ムーア』について寄稿&インタビュー翻訳手伝い。(11/20/19)
*サイゾー 7月号にて『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ』についてコメント出しております。(6/18/19)
*映画秘宝 7月号にてジョン・シングルトン追悼記事を寄稿。(5/22/19)
*ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 6月号にて「ブラックムービーとアカデミー賞」の記事を寄稿。(5/7/19)
*ユリイカ5月号のスパイク・リー特集にて2本の記事を寄稿。(4/27/19)
過去記事

The Photograph / 日本未公開 (2020) 1741本目

心地いいラブストーリー『The Photograph』

私は最近、少女漫画に激ハマっている。いい歳して気持ち悪いと思うし、いきなりどうでも良い話きたねって感じではありますが、関係あるので我慢して読んでください。前々から書いているけれど、少女漫画的な設定で絶大な才能を発揮する監督たちがいる。それが、運命の人は隣の幼馴染『Love & Basketball / ワン・オン・ワン ファイナル・ゲーム (2000)』のジーナ・プリンス=バイスウッド、運命の人は身分差『Belle / ベル 〜ある伯爵令嬢の恋〜 (2014)』のアマ・アサンテ、そして今回の作品と運命の人は不治の病『Everything, Everything / エブリシング (2017)』のステラ・メギーだ。プリンス=バイスウッド監督はアメリカ出身、アサンテ監督はイギリス出身、メギー監督はカナダ出身。恋する気持ちは全世界共通だ!という訳で、『Get Out / ゲット・アウト (2017)』のラキース・スタンフィールド、TVシリーズInsecure / インセキュアー (2016-Present)』のイッサ・レイが主演のラブロマンス映画です。

ニューヨークで活躍中のジャーナリストであるマイケル(ラキース・スタンフィールド)は、ルイジアナ州にいた。近く開催されるクリスティーナ・イームス(シャンテ・アダムス)の展覧会に向けての取材だ。訪れた先には、アイザック(ロブ・モーガン)がいた。アイザックは、マイケルに80年代の思い出を話す。そして、メイ(イッサ・レイ)は、貸金庫から母が遺した写真と手紙を発見する。メイの母は、写真家クリスティーナ・イームスだったのだ。ニューヨークに戻ったマイケルは、娘メイからも話を聞こうと接触する。2人は、過去を共に振り返りながら、惹かれ合うのを感じていた...

そういう訳で、80年代のルイジアナと今のニューヨークを行ったりきたりするラブロマンスです。80年代のラブロマンスと今のラブロマンスが見れるという1度で2度美味しいタイプ。これが、またどちらも美味しいタイプ!80年代の方では、シャンテ・アダムスとイ’ラン・ノエルがこれまたピッタリな雰囲気で最高なのです。シャンテ・アダムスの表情が、昔の少女漫画のヒロイン的で、グッと抑えているんだけど芯の強そうな感じがたまらなく良かった。好きなタイプのヒロインです。そして現代パートのラキース・スタンフィールド。正直、私は少女漫画的なヒーローだと思ったことはなかった。『ショートターム』とか『Selma / グローリー/明日への行進 (2014)』みたいな母性本能を擽る役か、全く逆のTVシリーズAtlanta / アトランタ (2016-Present)』みたいな掴み所のない飄々とした役が得意だと思っていたので。ところが、優しくてしっかりしている、ちゃんと少女漫画の正統派ヒーローだった!そして現代パートは共演者も良い。『ゲット・アウト』でも親友思いで面白かったリル・レル・ハウリーが、今回はマイケルの兄弟で登場。今回も兄弟思いで面白い。彼が出てくる度面白いです。所謂「scene stealer」。こういう役が得意なんだと、今回改めて感じた。他にも、『Waves / ウェイブス (2019)』のケルヴィン・ハリソン・Jr.、『Just Mercy / 黒い司法 0%からの奇跡 (2019)』のロブ・モーガンなど、今の旬俳優が出演している。というか、ケルヴィン・ハリソン・Jr.とロブ・モーガンの共演回数エグイ。

そして音楽も最高に心地いい。全体的にはジャズが流れる。そして女性ボーカルの曲が多い。80年代部分は、パティ・ラベルチャカ・カーンホイットニー・ヒューストン。現代部分はソランジュやH.E.R.にジャミーラ・ウッズ。全体的に流れるジャズが非常に合っていて心地いい。そしてこの作品には合っている。

中盤の80年代のシーンで、アイザックがクリスティーナに「Why...」と言ったあと、思い直して「Why don't you come to dinner」と言い直す。そこで、観客はクリスティーナの友人になってしまった感じで「What!」と感情を露わにする。そんな感じで、この作品は見ているだけで、我々を80年代部分のクリスティーナの友人にさせてしまう。だからこそ、現代部分の最後は、クリスティーナの友人としてつい喜んで、微笑んでしまう。

(4.25点:1741本目)
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