Welcome to Pine Hill / 日本未公開 (2012) 1339本目
続いてインディペンデンス映画です。日本じゃ絶対に見れないよー!っていうような作品ばかりでごめんなさい。だからこそ紹介したいというのもあります。いい映画だけが映画館で上演されている訳じゃないんです!ブロックバスター系のお金掛けた映画だけがいい映画じゃないんです!!(M-1で優勝した後の熱い芸人スピーチ風に読んでね。うふ)
夜中、いやまだ明けぬ朝?とにかくまだ暗い時間、アブ(シャノン・ハーパー)は玄関のポーチで座っていた。そこに通りかかるのが、犬を連れた白人男性。アブはその男性を引き止めた。それは俺の犬だと。ここ(ポーチ)に置いていたら、誰かに取られたんだと主張した。白人男性も犬は拾った、迷い犬だと思ったと言い返す。アブはとにかく俺の犬なんだから返せ!と言うも、白人男性はもう自分の犬として飼っているので居なくなるのは寂しい、どうにかならないか?とアブに相談する。アブは仕方なくその犬を買った250ドルを払えば納得すると話した。そして開けた朝。アブはオフィスに居た。アブが一番に着いたらしく、自分のコンピューターに電源を入れ、そして他のオフィスの電気を付けて回った。アブは保険会社に勤めており、交通事故の状況を顧客に聞く仕事をしていた。しかし最近、体調が悪かったので病院で検査した。そしてオフィスに友人が来た。昔からの仲間らしい。預かって欲しいと、レンガの大きさの物を預かった。麻薬だ。アブは以前に麻薬売買で捕まり刑務所に居たこともあったのだ。だが今は足を洗って、保険会社で真面目に働いている。借金があって、それを返すので必死だ。夜にはバーの用心棒の仕事もしている。そして検査結果が出た。アブは肉腫の癌という珍しい病気にかかっていた。余命も後わずかだと言い渡される。アブは借金を母や知り合いに返した後、バスに乗り、郊外のパイン・ヒルへ向かう...
アブ、絶対にいい奴!だって、部屋に綺麗な森のポスターを貼っているんだけど、ブルース・リーのポスターも貼っている!ブルース好きに悪い人なんて居ないでしょ!!!しかも日本刀も飾っている。そういうのが好きなんだろうねー。アブって名前だから、てっきりまたNYの移民の話なのかと思ったんだけど、本当はシャノンっていう名前らしく(ややっこしいが演じているのもシャノンだけど、役名もシャノン。スペルがnが一個多い)、ブルックリンだったかクイーンズ出身(どっちか忘れた)。今はブルックリンに住んでいるのは確か。
アブはいい奴なんだけど、他がクズばっかり。それがちょっとというか、かなりイライラしましたねー。みんないい奴系のドラマが好きなので。アブのお母さんもイライラする。でもああいうお母さんも居るもんね。しかも物々とうるさい系。子供への愛情が感じられないんだよねー。ブツを預ける友達も、そんな厄介な事を頼むなんて、自分の事しか考えてない奴。バーで絡む男は問題外!友達の振りしてお金貸していた奴も嫌な奴。友達たちと話す場面に出てくる男たちも嫌な奴。無神経な人ばかり。嗚呼、イライラする奴ばかりー!!そりゃ出て行くわ!という訳で、パイン・ヒルに向かうアブ。私にはNYの土地勘がないので、パインヒルってどこよ?と調べたら、ニュージャージー州にあるらしい。樹木が生い茂った所。
静かに淡々とアブの状況が描かれている、最近良くあるタイプのインディペンデンス映画です。スラムダンス映画祭という、サンダンスでも漏れた超インディペンデンス系の映画祭で大賞を受賞しております。と、いうことで、良い映画は沢山インディペンデンスでも眠っておりますよ!『The Retrieval / 日本未公開 (2013)』を見るといい!って、こっちじゃないんかーい!実は面白いことに両方共に白人監督。こちらはね、アブ君以外の黒人像が割りとステレオタイプ的なんですよね。そして如何にも批評家受けするような詩的リズムで撮っているのが、私には鼻についた。いや『The Retrieval』も超詩的リズムで撮られているんだけど、こちらは全然気にならないんだよねー。むしろ心地いいリズムであった。なんだろうね、この違い。でも悪い映画じゃないよ。アブのいい奴ぷりを見るのは面白かった。でも薦めるのは『The Retrieval』の方!
(4点/5点満点中:2/25/15:ストリーミングにて鑑賞)