上手過ぎで...『いのちの紐』
随分前にターナー・クラシック・ムービー(TCM)チャンネルで、シドニー・ポワチエ特集をしていた時に放送した映画(だったと思う)。中々観ずにそのままにしてしまった。という訳で、シドニー・ポワチエ主演作品です。監督は本作が長編監督デビュー作となるシドニー・ポラック。一般には『トッツィー』とか『追憶』などが有名ですね。私は、オシー・デイヴィスが出演している珍しい西部劇『The Scalphunters / インディアン狩り (1968)』が好きです。そんな感じでポワチエとポラックというWシドニーで挑んだ実話の映画化です。
アラン(シドニー・ポワチエ)は大学に通いながら、コーバン医師(テリー・サバラス)の診療所に開設している自殺防止のための電話相談室の夜番を勉強も兼ねてボランティアをしていた。大抵は、酔っ払いからの電話だったが、その日受けた女性(アン・バンクロフト)からの電話は何かが違っていて、自殺の可能性があるとアランはすぐに気づいた。アランは事務所に一人で慣れないながらも、女性からの電話を繋ぎとめ、彼女の名前がインガであることを突き止めた。後は、インガがどこから電話を掛けているのか突き止めなくてはならない。コーバン医師が中々到着出来ないなか、警察(エドワード・アズナー)等が捜索に急ぐが...
って、滅茶苦茶いい感じでプロット書けたと思う(呆れる自画自賛)。正直に書きます。ちょーーーーーーイライラした!映画の出来とか演出がとか演技がとかじゃないです。このインガという女性に心底ムカつきました。理由知ると、「そりゃーーーーー、そーーーーでしょーーーーよーーーーーーーーーーーーーーー!!!」となります。インガの旦那様、哀れ。インガは、私が一番嫌いなタイプです。自分のせいなのに、一番面倒なドラマクイーンタイプの女性。しかも凄い悲劇のヒロインぽい声で自分に酔ってるいるし、全然肝心なことは言わないし、イライラが止まりませんでした。アン・バンクロフトのそういう演技が上手過ぎで、余計にムカつきが止まらなかった。一番可哀想なのがインガの夫と息子です!何か深い事情があるにしろ、12年間も黙っているのは酷すぎる。逆に12年間が罪を重くする。あと、海での鳥のシーンもイラっとした。彼女の自己中な性格が出ている。結局は悲劇のヒロインになりたい人なんだろうなーと。良い事をするという自己満足すら満たされず、暴力で破戒する人。いるよね。そういう人でも助けなくてはならない。だけど、インガの性格が悪すぎで、最後はどうなるの?(ハラハラドキドキ)とは、素直に思えなかった部分がある。
先に書いたように、映画としての出来は悪くない。今日の写真のように、バックに「アメリカでは2分毎に誰かが自殺しようとしている」などの大切なメッセージが見ており、啓蒙になっている。そして寧ろ、この題材をよくこれまでの映画にしたものだと感心する。しかも音楽担当がクインシー・ジョーンズ。悪い訳がない。ただ、インガという人がどうしても好きになれなかっただけだ。
(3.75点:1743本目)
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