Cast >> Jesse Eisenberg (Simon / James), Mia Wasikowska (Hannah), Gemma Chan, Sally Hawkins (Receptionist), Craig Roberts (Detective), Yasmin Paige (Melanie Papadopoulos) ...
Director >> Richard Ayoade
Writer >> Richard Ayoade, Avi Korine, Fyodor Dostoyevsky (Book)
Producer >> Michael Caine, Graeme Cox, Robin C. Fox, Amina Dasmal
Genre >> Comedy
Country >> UK
総合ポイント 4.5点/5点満点中
内容 >> 4 演技 >> 5 演出 >> 5 音楽 >> 4
"I like to think I'm pretty unique"
サイモン・ジェームス(ジェシー・アイゼンバーグ)は冴えない男だった。同じ会社のハンナ(ミア・ワシコウスカ)が好きだが告白できる訳でもなく、ただ向かいのアパートに住んでいるハンナを望遠鏡で覗くばかりであった。会社でも全く存在感がなく、いつものダイナーでもウエイトレスに高圧的な態度を取られても何も言い返せなかった。ある日、ハンナの上の階の窓から男性が飛び降り自殺し、いつものようにハンナを覗いていたサイモンは目撃した。男はハンナのストーカーだった。ハンナは私に惚れる男は変態ばかり!とサイモンに嘆く。ある日、会社にジェームス・サイモン(ジェシー・アイゼンバーグ)というサイモンにそっくりなドッペルゲンガーの男が入ってきた。サイモンと顔や姿は同じでも、全く性格の違うジェームス。会社でも存在感を現し、ハンナもジェームスに惹かれていくが...
『サブマリン』にてウェールズの少年の悲哀をコミカルに描いたリチャード・アイオアディの最新作。なんとドストエフスキーの『二重人格』を元に制作した。この日本の歌謡曲が2度も3度も流れる独特な雰囲気に最初は慣れず、物語を掴み取るまで時間が掛かったが、一度ハマってしまうと抜け出せなくなる不思議な作品であった。主人公が働く会社の雰囲気が80年代のチープなSF風デザインだったのも、なんだか主人公をジリジリと追い込んでいる感じがあって面白い。一人二役だったジェシー・アイゼンバーグの情けないサイモンの方を演じている時が、本当に情けなく悲哀たっぷりで、観客は思わず同情してしまうしかない程までだ。ピアスの複線は思わずうわ!と泣いてしまいそうになる。そして何でも器用に出来るジェームスの方を演じている時には、本当に憎たらしく思えるから、アイゼンバーグの器用さを垣間見た。
とてつもなく切なく暗いストーリーなのに、アイオアディらしいユーモアを入れてきたところが救われる。色んな複線が見事に繋がるラストはお見事!
(9/29/14:DVDにて鑑賞)