ぞろ目にこの作品を。「42 / 42〜世界を変えた男〜 (2013)」と同じ日に公開されたから、どっちを先に観に行くかで悩んだ。正直、デビット・ズッカーが監督だったらスルーするつもりだった。でもマルコム・D・リーでしょ、悩んだよね。マルコム・D・リーは「Undercover Brother / アンダーカバー・ブラザー (2002)」が滅茶苦茶面白かった。多分というか確実に、その映画で見込まれて、今回この映画の監督に抜擢されたんでしょ?
まあ「Scary Movie」シリーズと言えば、ウェイアンズ家族だったけど、今じゃすっかりデビット・ズッカーの作品だね。「1」と「2」はウェイアンズ家族制作。「3」と「4」はデビット・ズッカー制作。今回の「5」は、デビット・ズッカーが脚本でマルコム・D・リーが監督。大好きなウェイアンズ家族が「2」で完全撤退してからは見ていない。いや「3」だけはTV放映で見た。でも「4」は完全に見てないね。やっぱり「3」からは、私が大好きなウェイアンズ風味が無くなっているので悲しくなるのよ。いや、デビット・ズッカーは凄いよ。パロディ映画の帝王。ほらあれよ、好きで常連だったイタリアンレストランが経営者が変わって、味とかサービスも全く以前と変わってしまって行かなくなるパターン。イタリアンは大好きなのよ!でもね大事な味が変わったよね...っていう、それと一緒ね。私の気持ちは理解して頂けると思う。「1」は本当にお見事だったもの。まあでもあれよ。私、小心なのでホラー映画はあんまり観れないので、同じウェイアンズ家族のパロディでもどちらかというと、こちら「Don't Be a Menace to South Central While Drinking Your Juice in the Hood / ポップ・ガン (1996)」派なのです。こっちの方が元ネタとかも完璧なので、笑える。逆に言えばね、白人の若い兄ちゃん達がブラックムービーよりもホラー映画の方に親しんでいるという事。だから「Scary Movie / 最終絶叫計画 (2000)」は、彼等にとって最大のヒットとなった訳。というか、つい最近までキーネン・アイヴォリー・ウェイアンズは、その映画で黒人監督として最高興行成績記録を持っていたのよ。
と言うわけで「5」を。細かい元ネタ系はやるつもりません。気になる所だけね。アメリカ芸能界でも一二を争う暴れん坊のチャーリー・シーンとリンジー・ローハンが、これからやりますよーって所から始まる。まあそれだけでも面白い設定。でも一番笑ったのは、チャーリー・シーンが飼っているネコの名前が「えみーりぃーお!(© ロクスベリー・ナイト・フィーバー)」だった事。チャーリーのお兄さんエミリオ・エステベスね。お父さんがマーティン・シーンなのは有名。そっちかと思ったら、エミリオの方。うちの夫は二人が兄弟なの知らなかった。エミリオは本名使ってるからね。
最後の方で猿が「Mad Demon(狂った悪霊)」と言うと、もう一匹の猿が「マット・デイモン」と空耳しちゃうのが面白い。みんなに愛されるマット・デイモンだけど、猿も大好き。「チーム・アメリカ/ワールド・ポリス」といい、マット・デイモンは何故だか良いネタだよね。猿の所では、リアリティ番組の人達が猿でバカにされているのも、私的には好き。猿の方が確実に頭良いもんね!ここの部分には、マルコム・D・リー監督らしさを感じたかな?
後好きなのが、レオナルド・ディカプリオのそっくりさん。絶妙。似てないんだけど、微妙に似ている。所謂、出落ちっていうやつだけど、なんだかその後も面白いんだよね。そのグダグダ感が最高。
今回はアンナ・ファリスのシンディちゃんも、レジーナ・ホールのブレンダちゃんも出演せず!なので全く「Scary Movie」感が無いよね。このシリーズも限界なのかな。しかもオリジナルのウェイアンズ家の末っ子マーロン・ウェイアンズがこの映画と全く同じフォーマットで「A Haunted House / 日本未公開 (2013)」を公開したばかり。DVDも4/23に発売したばかり。DVD発売をこの映画の上映から1週間後にずらしたのは、マーロンの親心からかもね。公開週と同じに発売するっていう嫌がらせも出来た。何はともあれ、やっぱりこのシリーズはキーネン・アイボリー・ウェイアンズが参加すべき!マルコム・D・リーはジョン・リドリーと共に「アンダーカバー・ブラザー」の続編作るべし!
そしてスヌープ・ライオン(元スヌープ・ドッグ)が台詞で「黒人はスーパーヒーローになれっこないだろ!」っていうのがある。そんなスヌープの発言に答えるべく、発売したばかりの「映画秘宝EX 映画の必修科目06 腹筋崩壊!コメディ映画100」で、その辺についてもたっぷり語ってます!しかも「アンダーカバー・ブラザー」についても書いてます!って、宣伝も出来た所でお後がよろしいようで...
(2.75点/5点満点中:4/23/13:劇場にて鑑賞)