Cast >> Carl Lumbly (John), Allison Jones (Sarny), Lorraine Toussaint (Dealey), Gabriel Casseus (Outlaw), Bill Cobbs (Old Man), Beau Bridges (Clel Waller) ...
Director >> Charles Burnett
Writer >> Gary Paulsen (book), Bill Cain
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
You are his wealth
サーニー(アリソン・ジョーンズ)は、ウォラーのプランテーションの奴隷小屋で生まれた。4歳の頃に母親は別のプランテーションに売られていき、ディリー(ローレイン・トゥーサン)が面倒を見る事になった。12歳になったサーニーは、過酷な畑仕事ではなくウォラー家の末っ子の面倒を見る事になる。ある日逃亡奴隷が捕まり、ウォラーはジョン(カール・ルンブリー)という男を50ドルで買った。ジョンはトラブルだとウォラーは言うが、ジョンには沢山の秘密があった...
この映画は南北戦争が始まる前の奴隷時代を描いている。奴隷時代、奴隷が文字を習う事はご法度だった。奴隷が教養を付ける事で賢く抵抗してくるのを防ぐ為だ。それは即ち、奴隷保有者達は自分達の行いがいけないと分かっていたからこそだったと思う。その様をチャールズ・バーネットは実に冷静にこの映画の中に詰め込んでいる。文字を習う事や言葉を習う事は、奴隷にとってそれは命を失うかもしれないという恐怖感を植えつけさせた。奴隷保有者達が頑なに禁止すればする程、逆に奴隷達は「言葉は武器」なのだと気づいていく。
また主人公が12歳の女の子なのも面白い。まだまだ無邪気だし、スポンジのように知識を吸収していく。奴隷と奴隷保有者の緊張感を肌で感じていながらも、奴隷保有者に嫌な事をされると大胆に「お金さえあったら、あいつらを買い取ってやる!」と言ったりする。大人の言葉を子供が代弁しているようだ。そしてこの映画での言葉の一つ一つが力強い。「片手を失ったら、その反対の手は必ず強くなる。君がその反対の手だ」という台詞は映像と共に強く印象に残る。
言葉を味方につけた主人公の女の子は、それを武器に戦う事を知る。「私達は彼にとって財産なのよ!」と言う。観客の我々にとってもこの映画は非常に価値のある財産という名の知識を得る事になる。
(Reviewed >> 10/01/08:DVDにて鑑賞)