Cry of Jazz / 日本未公開 (1959)
Cast >> George Waller (Alex), Dorthea Horton (Natalie), Linda Dillon (Faye), Andrew Duncun (John), Leroy Inman (Louis), James Miller (Bob), Gavin Mcfadyen (Bruce), Sun Ra and His Arkestra, John Gilmore ...
Director >> Edward Bland
Writer >> Edward Bland, Nelam Hill, Mark Kennedy, Eugene Titus
Producer >> Edward Bland, Nelam Hill
Genre >> Documentary
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
Political and Radical in good artistical way
シカゴの一室でパーティをしていた。残った若者達がジャズの話をしていた。ジョンは女の子に「ロックはジャズなんだ」と話した。それを聞いたジャズミュージシャンでもあるアレックス(ジョージ・ウォラー)は、そんな事は決してないと反論。アレックスはジャズについて語り始めるのだった...
1959年にシカゴで制作された前衛的な半ドラマ、半ドキュメンタリーのジャズについての35分ばかりの作品。作ったのは映画でもコンポーザーを務めたりしているエド・ブランド。先に書いたようにとっても前衛的である。ドラマの部分では役者に「第四の壁」の手法を使わせて、観客の意識に入り込もうとしていたりする。そしてドキュメンタリーの部分では、サン・ラーの音楽と共に流されるシカゴゲトーの実態。世界を先導していたアメリカの映像とは思えない。1959年といえば、公民権運動の真っ只中。映画ではシドニー・ポワチエが活躍を見せ始めた時期。ブラックパワーが台頭し始めるずっと前の事。ドラマ部分では、果敢に黒人と白人がそれぞれ意見を言い合うのが面白い。そこで黒人がハッキリという。「黒人だけがジャズを作れるのだ」と。しかも、黒人の男と白人の女性が肩を並べて、非常にセクシャルな事を想像させる場面もある。そして「ジャズは死んだ」と言い放つ。まるで最近のヒップホップを見ているようだ。
「ジャズが死んだなら、黒人も死んだのね」と白人の女性に言われる。黒人の青年は「ジャズの体は死んだが、精神は生きている。黒人も一緒だ」と静かに答える。熱のこもった台詞が多くて、サン・ラーの音楽と共にこちらも熱くなる。
(1/27/11:DVDにて鑑賞)