今改めて問題を深く考えるために...『オールデイ・アンド・ア・ナイト: 終身刑となった僕』
あの『Black Panther / ブラックパンサー (2018)』の脚本家の1人ジョー・ロバート・コールの監督作品。しかもカリフォルニアのオークランドが舞台!!!と、なったら観ますよねー。速攻観ますよねー。しかも主演が、『Moonlight / ムーンライト (2016)』のアシュトン・サンダース。父親役に『Shaft / シャフト (2000)』のジェフリー・ライト。その3つが揃えば、もう既に勝者的な何か。期待値が上がります。オークランドで生活する父と息子の悪循環を描いたクライムストーリー。Netflix配信。
ラップの練習をするジャ(アシュトン・サンダース)。ジャはマルコムの家を襲撃し、マルコムを殺した。そして、ジャは終身刑を言い渡される。小さい頃に、年上に玩具を取られ、父(ジェフリー・ライト)に怒られ暴力を振るわれ、次の日にはその年上にやり返した。そんなことを思い出し、過去を振り返っていた。ジャは父のようにならないと思い、そして彼女シャンテイ(シャキーラ・ジャネイ・ペイ)との間に息子もでき、ジャも父となったが、マルコムと対峙していた...
かなり渋い作品。父と息子の関係には大きな溝がある。息子からしてみたら、父親らしいことなんてしてもらったことがない。そして父親のせいで、自分の人生も狂った。そう思っている。だけど、自分が父親の立場になってみて分かることも沢山あった。息子のためにまともな人生を送ろうとしても、世間がそれを許さない。真面目に働かせてなんてくれない。だから、安い犯罪に手を染めてしまう。息子のために... でも、本当は嫌がらせにも歯を食いしばって耐えて、真面目に働かないといけなかった。そこで何とか悪循環を断ち切らねばならなかった。でも父も息子も2人してそこを間違えた。そして、2人ともにやっとその間違いを理解した。そして... っていう希望。とても渋くて分かりにくいかもだけど、ラストは最高でした。そして2人の演技も終始最高でした。
90年代には多かったテーマだけど、最近はあまり見かけなくなった。2020年、ブラック・ライヴズ・マター運動の最中、またもう一度彼らの抱えた問題を深く考えてみたい。
(4.5点:1753本目)
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