Black and Blue / 日本未公開 (2019) 1728本目
見た目で物事を判断してはいけない『Black and Blue』
『Moonlight / ムーンライト (2016)』のジャンキーなママ、ダニエル・クレイグ主演『007』のマネーペニー... イギリス出身のナオミ・ハリスは、今やイギリスだけじゃなくて、アメリカでも大活躍中だ。その証拠に、この作品で主役の座を手にした。男性とのW主演ではなく、単独で黒人女優が主役の映画が、全米ワイドで劇場公開されるなんてごく稀なこと。今年だったら、『Harriet / 日本未公開 (2019)』くらいかな?『Us / アス (2019)』もルピタ・ニョンゴの単独主演でいいのかな?単館・配信とかなら、もうちょっとあるかも。まあ、それくらい珍しい。共演は、『Baby Boy / サウスセントラルLA (2001)』のタイリースと、『Luke Cage / Marvel ルーク・ケイジ (2016-2018)』のマイク・コルターなど。監督は、『Traffik / セックス・トラフィック 悪夢の週末 (2018)』のディオン・テイラー。
ニューオリンズ市警の新人警官として任務についた元陸軍人のアリシア(ナオミ・ハリス)。パートナーになったジェニングス(リード・スコット)とともに、早速街のパトロールに出かけた。マイロ(タイリース)が働くコンビニ店の店先で一般人とイザコザになったが、何とか回避。911により、ジェニングスと現場に向かったが、新人なのでパトカーに置いていかれた。中々戻らないジェニングスの様子を見に廃墟に向かった。そこでアリシアは、見てはいけないものを見てしまう。そしてその一部始終をアリシアのボディカメラが収めていた。警察の防弾チョッキが身を守ってくれたが、アリシアは執拗に追われ、駆け込んだマイロのお店でかくまってもらうが...
正直... 正直に書きます。ディオン・テイラー監督だし、予告編見た時には、「ああ...」と思っていました。つまり、スルーでいいかなーと。でも、スルーしないで良かった!割と面白い。思っていた以上に面白い。何ていうか、『Training Day / トレーニング デイ (2001)』ぽいなーと。あそこまで渋くはなく、もうちょっと軽めだけど、状況が似ている。『トレーニング デイ』でイーサン・ホークが演じた役が、今回ナオミ・ハリスが演じた役と同じなんだけど。私が一番気に入ったところは、ナオミ・ハリスのクールさ。こういう女性が主役のアクション映画って、やたらと女性を英雄にしてカッコ良く見せようとするけれど、この映画でのナオミ・ハリスは自然なカッコ良さなんだよね。いや、この映画の英雄には変わりないんだけど、無理していない感じが、凄く気に入った。マッチョイズムとは違う、カッコ良さがナオミ・ハリスにはあったね。眼差しの強さとか、姿勢の良さとか。巻き込まれたタイリースの役も良かった。最後は、アメリカ映画ぽくなくて、キュンとした!あれくらいが逆に良いんだよね。マイク・コルターのリック・ロス(ラッパーの方)ぽさが、これまた良い演出。
タイトルの『Black and Blue』。黒人であり、警官である。警官によって殺されてしまう黒人が多い今、黒人であり警官である主人公はどうするのか?確かに、この映画ではそこに深く踏み込み描いている訳ではないけれど、良いエンディングだったと思う。主人公だけでは変えられないっていうのが描かれている。
すっごい名作!って訳ではないけれど、意外とこういう作品こそ心から楽しんでしまうもの。こういう作品でのカッコいいナオミ・ハリスをまた観たい!そう思わせてくれた。
(3.75点:1728本目)
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