Gangster Squad / L.A. ギャング ストーリー (2013) 1139本目
この作品を期待した理由は一つ。俳優陣の魅力。主演のジョシュ・ブローリンは「Men in Black 3 / メン・イン・ブラック3 (2012)」で、滅茶苦茶いい感じだったし、準主役のライアン・ゴズリングは色んな映画でもいい感じだし、何しろアンソニー・マッキーが大好きで超期待しているし、前にも書いたけどマイケル・ペーニャは私の涙腺破壊王である。これだけの役者が揃えば、期待しない方がおかしい。
物語は実際に第二次世界大戦後にロサンジェルスの町を舞台に起きた、ギャングと警察の戦いを描いたクライム・ストーリー。ショーン・ペンが演じたミッキー・コーエンは実際に居たユダヤ系のギャング。コーエンは元々ボクサーで、道を外してシカゴで裏社会で活躍し、ロサンジェルスに手を伸ばした。東からやってくるギャング達を阻止する為に結成された特殊部隊が「ギャングスター・スクワッド」。映画の中では、アンソニー・マッキーが演じたハリスのような黒人系、そしてマイケル・ペーニャが演じたヒスパニック系が存在していたが、実際には1949年の事なので、もちろん彼等は実際に「ギャングスター・スクワッド」には存在しない。ロサンジェルスと黒人の歴史背景としては、もちろん南部からロサンジェルスにやってきた黒人はこの時代に徐々に増え始めるけれど、実際に今のように増えるのは60年代(で、ワッツ暴動が1965年な訳です)。ロサンジェルスでは、この時代は黒人と白人の住み分けがハッキリと分かれていた時代でもある。なので、まあ今は2013年なので、黒人のキャラクターも入れておくか的なキャスティングなのです。私には、バレバレだよ。でもマッキーのキャラクターが「セントラル通り」の番人と言われていたけれど、今でいう「サウス・セントラル通り」の事。当時のこの「セントラル通り」には、ビリー・ホリディとかライオネル・ハンプトン、そしてリナ・ホーン等が巣立った有名なダンバー・ホテルがあったロサンジェルスの黒人の心のより所だった場所。
内容は面白いんだけど、ハチャメチャな部分もあって、笑ってしまいます。冒頭でミッキー・コーエンが、男を2台の車に人を繋げて引きちぎるシーンがあったけど、体が見事に真っ二つに割れた時点で、ちょっと笑ってしまいました。ごめん、悲惨なシーンなのに。この手の映画で、あの描写は無いかなー。まず、つながれた腕か脚から引きちぎれてしまうんじゃないかと... 真っ二つはさすがにコメディぽい。まあ元々コメディ映画の監督さんなので、その辺は仕方ないのかなー。
そして最後、なぜか銃を捨てて素手で殴り合い。「え?」と思いましたわ。元々ボクサーのミッキーと刑事が素手で対決。刑事は軍で特訓されたと言われても、ボクシングのトレーニングは無いしねー。あれは無理あるでしょ?しかもギャング映画ですよ!そこは銃!!しかも、ミッキーはその前に素手じゃなく、銃を冷酷に発砲してたからねー。イマイチ説得力が無かった。
まあそういう細かい所が気になっちゃう映画ではある。ジョシュ・ブローリンとかライアン・ゴスリングが演じたキャラクター設定が、第二次世界大戦で活躍した元軍人というのも面白かった。「戦争は終わっても、戦いは終わらない」的な台詞もたまらない。そしてブローリンと奥さんの物語も面白かった。特にブローリンのキャラクターが、冒頭で田舎から出てきた女性を救うシーンとかは、面白くて期待出来たよね。後は、ジョヴァンニ・リビシが演じたキャラクターが、今とは違って超アナログで、コンパス(懐かしい響き)を使ってたりするのは、楽しかった。
もう一息なんだよね。ハリスの登場シーンも、よく分からないクラブなんちゃらじゃなくて、ダンバー・ホテルとかだったら、私は「うお!やるな!」って思ったのに。ちなみにダンバー・ホテル、先月に改築して再オープンしたばかりなんだよ。
(3点/5点満点中:7/20/13:DVDにて鑑賞)