This Rebel Breed / 暴走する反抗族 (1960) 1030本目
何か最近古典映画を観てないなー、白黒で映画が観たい!と思った時に目についた作品です。この映画も「Blood In, Blood Out / ブラッド・イン ブラッド・アウト (1993)」よろしく、白人・黒人・ヒスパニックのそれぞれのギャングが登場する青春映画なのです。しかも1950年代のロサンジェルスの不良たちですよ!♪ヒャッホーイ♪.・・ヘ(= ̄∇ ̄)ノ とテンションあがるでしょ?この時代ってこういう不良映画が多かった。シドニー・ポワチエの「Blackboard Jungle / 暴力教室 (1955)」とか、ジェームス・ディーンの「理由なき反抗」とか、マーロン・ブランドの「波止場」とか。でもこの映画はそれ等の映画から5年離れているので、これまたちょっと違った趣。かなりセックスプロイテーション風というか、そうなんです。で、しかも「ウエスト・サイド物語」に出る寸前のリタ・モレノが主演。ヒスパニックと白人のミックスの女の子で、白人の男の子と付き合っている高校生を演じているのです。なので「ウエスト・サイド物語」の前哨戦みたいな映画で、ウエスト...は黒人部分が削られちゃった感じ?
そして今年に入って残念ながら他界してしまったAl Freeman Jr. (アル・フリーマン・ジュニア)が黒人ギャング「エボニーズ」のリーダーで登場しています。フリーマンは優等生ぽいけど、不良姿がかなりカッコいい!何かちょっとクリス・ブラウン入ってる。黒人グループも白人グループもヒスパニックグループもそれぞれお揃いのスタジャンを着ているんですよ。分かりやすい!
物語は最近都会の高校で不良たちが幅を利かせていて、しかも麻薬取引を学校でやっている節があるので、若く見える警官2人がおとり捜査で、学校に侵入する。一人は普通の白人警官なんだけど、もう一人は黒人とメキシカンのミックス!という設定。マーク・ダモンが演じていた。おーい!と突っ込みたくなりますわ。で、そのマーク・ダモン演じる男はリタ・モレノ演じる女学生に接近していくんですわ。でも「ブラッド・イン ブラッド・アウト」みたいにヒスパニックが黒人を押しのけて...という感じはない。ただやっぱり白人のギャング達が黒人とヒスパニックのコミュニティに麻薬を蔓延させて、搾取しようとしている様子は描かれている。50年代終わり・60年代初頭の黒人やヒスパニックのコミュニティが見れるのは貴重で割りと面白い作品ではあるんだけど、先に書いたようにセックスプロイテーション色が強い。もうちょっと普通に作ってたら、それなりに知られた作品になったかもしれないですね。まあでも学園物だけど、ジョー・クラーク先生もサッカレー先生も金八も鬼塚もいない。学園物で警察が解決しているなんて物語として全然面白くないよね。今はキワモノ作品として、激安でDVDが売られております。
(3.25点/5点満点中:DVDにて鑑賞)