麻薬についてのドキュメンタリー。「ドラッグを売って如何に稼ぐか」という挑発的なタイトルの通り、中身もそんな感じ。実際に最初にこれは如何にして麻薬で稼ぐかのガイドブックだ!と述べている。ゲーム感覚で、レベル1から最後のマスター・オブ・ゲームまで進んでいく。最初は「初め方」、そして「売り子」、「国内卸」、「国際的運び屋」、「キングピン」、「カーテル神」と進んでいく。最初は本当に麻薬売人になる為のガイドブック。まあでもそれは後になるにつれて...最後は残虐なシーンもあったりで、反面教師的なドキュメンタリーになっていく。
50セントやフリーウェイ・リック・ロス(男おっぱいがない方、モノホンギャングの方)、ラッセル・シモンズ、エミネム...など、ラップには欠かせない人々から、ボビー・カールトン、マイク・ウォルズマン、ブライアン・オデーという本物のドラックディーラー、そしてなぜかスーザン・サランドンまでが出演して、麻薬取引について語っている。まあショックなのが、エミネムが麻薬中毒者として出演している事かな。ボビー・カールトンは見た目は真面目なケニーG的だけど、体には刺された傷など多数ある売人。マイク・ウォルズマンはビバリーヒルズの坊ちゃんで、その自分が通うビバリーヒルズの高校でお金持ちの学生を相手に富を得た男。ブライアン・オデーは後に回想録を書いた国際的なやり手運び屋。3人とも白人。黒人の売り子も出てた。ああフリーウェイ・リック・ロスも有名なだけで、ギャングだしね。あとぺぺという人はヒスパニックかな?まあとにかく入り口は簡単。特にマリファナは自分で育てて売ることも出来る。みんなここに出てくる人たちは10代で、その入り口に立っている。50セントは12歳の時から、ボビー・カールトンは14歳、スキップというブラッズの黒人は10歳か11歳の頃からその道に入った。ボビー・カールトンは18歳で1日50000ドル稼いだとの事。50000ドルって事は大体500万円!一日で!!18歳が!!という事で、大抵は普通に働くのは馬鹿バカしくなりますな!最初はストリートで立って売る「売り子」、そこからどんどん出世?していく。売り子は危険も多い。
フリーウェイ・リック・ロスは、値段が高くて白人が買っていたコカインにベイキングソーダを混ぜて安く抑えた「クラック」を発明した。しかもコカインを鼻ですする事は鼻血になる事も多く、「クラック」は簡単な(映画の中ではハンディ)なドラッグとして人気となった。1日で1ミリオン稼ぐ事もあった。
レベルアップしていく毎に、その危険度もアップしていく。そしてこの映画によれば、黒人ディーラーは白人ディーラーよりも4倍も逮捕されやすいとの事。そしてこの映画ではなぜに大麻やコカインがアメリカ政府で禁止されたかも明らかになる。その禁止させた一人であるハリー・アンスリンジャーという人物がとんでもない差別者だった。「マリファナを吸っているのは、大抵黒人かヒスパニックかフィリピーノか、エンターテイナー達だ。彼等のジャズやスウィングという悪魔的な音楽は、そのマリファナによるもの。そして白人女性が黒人やエンターテイナーやそれ等他の者達を性的に求めるのも、マリファナのせいである」と述べて説得させ、法的に禁止された。他にもマリファナと黒人の関係性を差別用語たっぷりで述べているのが明らかになっている。そして政府といえば、麻薬関係の逮捕で厳しくなった事もある。アイス・キューブもちょっと前にラップで語っていたが、「今や刑務所ビジネスはビリオンビジネス!」である。それについても触れていた。たしかそこでスーザン・サランドンが語っていた。まあ新たな奴隷制度に変わる搾取ビジネスかもね。
と、また麻薬について詳しくなってしまった。ならなくていいのに!というか、反面教師で絶対に麻薬は嫌!タバコも苦手なので、マリファナのあのキツイ匂いはもっと嫌い!!どこかの国(ごめん失念)は規制をするというより、麻薬の教育をしたお陰で、女の子達が「麻薬なんて嫌!」って言っていた。確かに規制より、教育だと思う。私は「Never Die Alone / ネバー・ダイ・アローン (2004)」という映画で、主人公が無垢な女性を陥れる為にコカインをヘロインに変えてしまう。そして「お前はヘロインとコカインの違いも分からないのか!馬鹿め!」と、無垢な女性が無残な中毒者になっていくシーンを見て、麻薬の恐怖を教え込まれました!規制より教育!!そして売る奴は相当悪いけど、やる奴も悪いんだ!被害者ではないね。同情はしない。まあ売るほうもやる方も、だんだんとエスカレート(レベルアップ)していくんだよね。この映画みたいに。
(4点/5点満点中:2/1/14:DVDにて鑑賞)