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マジカル・ニグロ

なんだか良く分からないけれど、若い高校生の間でヒットした「トワイライト」の続編「ニュームーン/トワイライト・サーガ」が「2012 / 2012 (2009)」のような大作を簡単に抜かして全米興行成績で記録的な大ヒット。この記録も長く続きそうだな...と思われた矢先、意外な作品が今週末に「ニュームーン」をようやく抜き去り1位。それがサンドラ・ブロック主演の「The Blind Side / しあわせの隠れ場所 (2009)」という作品。そうサンドラ・ブロックが主演だけど、私がサイトに登録しているという事は...黒人であるという事が映画では重要だったりするのです。サンドラ・ブロック演じる女性がマイケル・オーアーという実在するアメリカンフットボールの選手を手助けする映画。実際には、夫婦でその選手を手助けします。マイケル・オーアーは体格に恵まれた黒人男性。彼の生い立ちが、これまた壮絶で、生まれる前から大変な人生を背負っている。母がクラックやコカイン等の麻薬中毒者でマイケルは所謂クラックベイビーだったのだ。なのでマイケルはフォスターファミリー(養子ではないが家庭で育ててもらう)を転々とし、学校も9年間で11回も転校。よって成績もイマイチだった。しかし彼の運命を変えたのが高校の頃。アメリカンフットボールを始めて、頭角を現す。しかしフットボールコーチは彼の生い立ちに不安を感じていて、あまり積極的ではなかった。その頃にマイケルの父親も殺されている。しかし、そのサンドラ・ブロックが演じた女性の家庭で預かる事になってからは、彼等が勉強の手助けもあり成績も上がり、ディビジョン1(つまりフットボールが有名な名門校)にいけるまでの成績を上げられるようなった。
というのがこの映画の物語。
つまりは白人の手助けによって特殊能力のある黒人が救われるという物語。そういう映画の事を、黒人映画歴史家のドナルド・ボーグルが「マジック・ニグロ」と呼び、その後にスパイク・リーが「マジカル・ニグロ」と呼び始めた。またその逆のパターンで特殊能力のある黒人が白人を救うという映画もそれに属する。一番分かり易い映画は「The Green Mile / グリーンマイル (1999)」。マイケル・クラーク・ダンカンが演じた役が、この「マジカル・ニグロ/マジック・ニグロ」の象徴的な役だといわれている。
しかし多くのアメリカ黒人はこの手を映画を歓迎しない。「マジカル・ニグロ」と対で呼ばれているのが「ホワイト・セイヴィア(救済者)」の存在。ハリウッドで黒人映画を作る際に良く言われるというのが「白人のヒーローはどこだ?」という。その「ホワイト・セイヴィア」が出ない映画には資金援助が難しいと言われている。

とは言え、この映画は事実に基づいた話であり、この白人夫婦がマイケルを助けたのは事実。素晴らしい事だと思う。映画は観てないけれども、どう観てもアメリカでは一番関係が難しいと言われている黒人と白人の間の何か難しい問題に挑戦している感じには受けて取れない。もちろん今までの歴史の中で白人が黒人問題で重要な力となった事は沢山あるし、それを称える映画がその数だけあって当然だと思う。でもそれをどう描くかという比重が凄く難しい。

Precious: Based on the Novel Push by Sapphire / プレシャス (2009)」のように黒人監督・プロデューサー(100%じゃないけど)による映画がオスカーのナンバーワン候補となる今でも、このような映画が興行成績ナンバーワンになるのは興味深い...と思いながら、今週の興行成績を見つめた。

黒人系メディアのこの作品に対する映画評にも上のマジカル・ニグロの文字が並ぶ。
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http://www.racewire.org/archives/2009/11/the_blind_side_is_an_obvious_appeal_to_white_guilt.html(こちらはマジック・ニグロの表記)