Mr. Church / 日本未公開 (2016) 1509本目
我らのエディ・マーフィがタイトルの「ミスター・チャーチ」を演じている真面目ドラマです。監督は『ドライビング Miss デイジー』のブルース・ベレスフォード。っていうと、黒人映画ファンにはあまりいい予感はしない。しかもその『ドライビング Miss デイジー』に似ているストーリーという事で、逆にもう嫌な予感しかしない。でもエディ・マーフィが主役なら観たいし...と、多少我慢する事になりそうだけど、エディの為に我慢した。
『ドライビング Miss デイジー』とか『グリーン・マイル』などの映画の黒人キャラクターは「マジカル・ニグロ(マジック・ニグロ)」などと言われている。黒人キャラクターが自分を犠牲にしてでも白人キャラクターを助ける人の事。まあ、言ってしまえば昔から良くあるパターンです。白人を主役にして、黒人を共演させれば、両者から搾取出来る。そして白人からの反発もないと、ハリウッドにとっては一石二鳥な設定だった訳です。でも時代と共に代わり、『ドライビング Miss デイジー』でかなり黒人側から反発されたけど、今でもちょいちょい目立たない程度にある。
確かに今回のエディ・マーフィが演じたミスター・チャーチはどこからともなく現れて、白人の主人公の女の子を救っている。彼女の人生は、ミスター・チャーチなしにはあり得なかった。そしてミスター・チャーチの過去は色々あったぽいが、そこはあまり触れられていない。いや、物語の重要なファクターだけど、明言を避けている。あのエディ・マーフィがマジカル・ニグロを演じているのは信じられない!
が... そこまで嫌じゃない。ミスター・チャーチと主人公の女の子の距離感が良い。エディ・マーフィの真面目演技はやっぱり素晴らしい。1人の男の生き様として存在感があったし、見応えがあった。彼の役名通り、教会のように罪を許し、そして誰でも受け入れる器の大きさを感じた。共演した女の子も芯の強さを感じる好演だった。けど、別の作品でエディの真面目演技が観たい!とは思いました。
(3.5点/5点満点中)
Mr. Church / 日本未公開 (2016)