何かついていない作品。公開前にビデオ・オン・デマンドで公開後数週間には家で見られるという実験を試させられそうになったが、映画館からのバッシングで中止。でも公開前には追い風で、この映画の監督ブレット・ラトナーと主演の一人エディ・マーフィがオスカーの司会とプロデュースに決まり、公開日もそれに合わせたが、いざ公開すると監督の失言の数々で監督もエディもオスカーから降板。公開すればしたで、35ミリオンドルの興行成績で1位が見込まれたが、実際には25ミリオンドルで初登場2位。何かついてない。可哀想になる位... というか、本当に可哀想なのは私ですわよ!!元々、この映画は黒人コメディアン総出演となるコメディ映画になる予定だった。黒人のコメディアンが集まるのは「Harlem Nights / ハーレム・ナイト (1989)」以来になる。しかも集まる予定だったのがクリス・ロック、クリス・タッカー、デイブ・シャペル、ジェイミー・フォックス、そしてエディ・マーフィという超一流どころ。無類の黒人コメディアン好きの私には、正月と盆どころか、クリスマスも感謝祭もバレンタインも私の誕生日も子供も誕生日も結婚記念日も一緒にやってきた感じ。更にですよ、デンゼル・ワシントンとサミュエル・L・ジャクソンが悪役で登場し、御大シドニー・ポワチエまで出演させる!!という話まであったんですから... どんだけあの時は喜んだ事か... 全てぬか喜びですよ。どんだけ枕を濡らした事か...
まあ何かついてない作品である事は間違いないのですが、映画はそこそこ面白い。評判よりも全然見られる映画です。ブレット・ラトナーらしいテレビで放送している度に見ちゃうような、分かりやすい手っ取り早いコメディですね。タイミングも本当は良かった筈なんですよ。この映画の舞台となるニューヨークのウォール街では「ウォール街を占拠せよ!」というデモが行われている訳でして... そのデモの敵である「1%の富裕層」が、この映画の悪役ですからね。そして主役のベン・スティラーの演じたジョシュは完全にデモの中心である「99%の一般人」。しかもジョシュは自分の仕事に一生懸命で真面目。けど1%のせいで、ジョシュの生活は浮かばれない。でも99%である観客には支持されなかったみたいですね。それとも99%はデモで忙しくて映画どころじゃなかったのか...
久々にエディが早口です。レスター役のステファン・ヘンダーソンが気になりました。まあ面白かったけど、やっぱり黒人コメディアン総出演バージョンで見たかった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!....というのが私の本音でございます。
(3.75点/5点満点中:劇場にて鑑賞)