面白いに決まっているモハメド・アリ映画『What's My Name: Muhammad Ali』
「モハメド・アリ映画に外れなし」。これは、長年映画を見てきた私の定説だ。特にドキュメンタリーは外れがない。とはいえ、映画を沢山見て来なくても、モハメド・アリという人物を知っていれば、モハメド・アリを追うだけで面白くなることは容易に分かる。モハメド・アリが歩んだ人生が数奇でドラマチックで面白いし、モハメド・アリ自身も魅力に溢れた好きになる要素しかない面白い人だ。だから面白くないわけがない!今回は、『Training Day / トレーニング デイ (2001)』や『The Equalizer / イコライザー (2014)』などで知られるアントワン・フークア監督がそんな面白いモハメド・アリを追った。HBOにて2夜連続で放送。
1971年3月8日、「世紀の一戦」と呼ばれるジョー・フレイザーとのタイトルをかけた対戦が行われようとしていた。モハメド・アリにとってプロになって初の負けとなる試合。そんなモハメド・アリのボクシング人生を追っていく。
最近のドキュメンタリー映画にしては珍しく、当時のインタビューや映像のみで構成されている。最近では、関係者が当時を語る映像が含まれることが多い。それは一切ない。足しているのは、ジェームス・ブラウンやアイズリー・ブラザーズの曲のみ。どちらかというと、同じモハメド・アリを追った名作『The Fighters / 日本未公開 (1971)』に近いものを感じる。でもその作品のような生々しさは控えめである。それでも、アントワン・フークア監督は分かっている。面白いモハメド・アリにモハメド・アリを語らせるのが一番面白いと。なので、インタビュー映像や音声はモハメド・アリのが一番多い。そしてモハメド・アリ自身の人生も振り返っているが、それよりもアリの試合についてに重きを置いて、その試合の様子もアリがインタビューなどで語っている音声を被せているのが最高だ。観客にとって、それが一番聞きたい・知りたいことだし、それが一番面白いに決まっている。
これだけ面白い人物なので、モハメド・アリ関連の映画は無数に存在している。恐らく一番映画にされているアスリートであろう。なので残念ながら新鮮味はないし、大体のことは他の作品でも見て知っている。それでも、やっぱり笑ってしまう面白さと、感動してしてまたモハメド・アリを好きになってしまう部分はまだまだあった。
アリ!アリ!アリ!やっぱりこの人の名前を叫び続けたい。そしてまたこの人に魅了され続けたい。アリの名前は永遠だ!
(4.25点:1702本目)
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