Cast >> Muhammad Ali, Larry Holmes
Director >> Bradley Kaplan, Albert Maysles
Producer >> Laura Coxson, Mark Durand, Bradley Kaplan
Genre >> Documentary
Country >> USA
総合ポイント >> 4.75/5点満点
Contents >> 5 Performance >> N/A Direct >> 5 Music >> 4
I'll be pissed off if everybody talk about Ali.
モハメド・アリの元スパーリングパートナーであり、親友、そしてそのアリを引退に追い込んだラリー・ホームズとの一戦についてのドキュメンタリー。
私は何度も書いているが、モハメド・アリこそドキュメンタリー映画の最大級のネタ元である。彼のようなドラマに溢れたスポーツマンは中々居ないし、人として魅力に溢れた人物も居ない。モハメド・アリが対戦した相手についてのドキュメンタリー「Facing Ali / 日本未公開 (2009)」もアリだったかこそ素晴らしいドラマを生んだ面白いドキュメンタリーだった。この映画もそうであった。今回はラリー・ホームズを追っている。アリは再現VTRだけだが、ホームズにはインタビューをしている。アリの魅力がいつものように十分に語られている。しかしそれと同時にラリー・ホームズの人格や魅力が明らかになってくる。当時の練習風景では、妻と生まれたばかりの子供が居て、カメラの前で赤ちゃんにキスするシーンや車の中ではラジカセから流れる曲に合わせて熱唱したり、妻に帰るコールをするシーンが流れる。一方でアリは家族とよりも取り巻きやファンに囲まれ、ファンサービスを怠らない。そこではアリはいつものように、「ホームズなんかKOしてやる!」と言えば、ホームズは「アリと対戦して、チャンピオンの座を狙えるなんて光栄だ」と慎ましく答える。
そしてあの戦いから30年後、ホームズは「みんなアリの事ばかり話してばかりで、頭くるよ!」と素直に自信を持って語る。元チャンピオンとしての誇りが見えた。しかし30年前に比べて、車のラジカセはCDに、そして車の電話は大きな黒電話から小さな携帯電話にBluetoothと変わったが、妻に帰るコールをし、車の中で気持ちよく歌う変わらないホームズの姿があった。
(9/26/11:DVDにて鑑賞)