SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

Little / 日本未公開 (2019) 1690本目

え?嘘でしょ???私、戻ってるぅうう~~『Little』

今やヒットメーカーとなったプロデューサーのウィル・パッカー。昔は、エロサスペンス映画を量産していたが、『Think Like A Man / 魔法の恋愛書 (2012)』辺りでコメディアンのケヴィン・ハートを起用してコメディ映画をもうちょっとで1億ドルに手が伸びそうな位の大ヒットさせてからは、コメディ映画を量産。『Ride Along / ライド・アロング ~相棒見習い~ (2014)』で念願の1億ドル突破。『Girls Trip / ガールズ・トリップ (2017)』の主演レジーナ・ホールが今回も主演。共演は、TVシリーズInsecure / インセキュアー (2016-Present)』が好評のイッサ・レイと、TVシリーズBlack-ish / 日本未放送 (2014-Present)』のマーサイ・マーティン。そう、ウィル・パッカーはお馴染みのキャスティングを起用しつつ、新しいスターと組み合わせていくのが上手い。今回もパッカー作品でお馴染みのレジーナ・ホールと、新しく起用されたイッサ・レイとマーサイ・マーティンを上手く組み合わせ、化学反応を起こしている。そして、マーサイ・マーティンは14歳にして、この映画のプロデューサーも務めており、現在最年少プロデューサーの記録となっている。

中学生のジョーダンは、真面目に勉強していたが、見た目は地味で性格もキッチリしていた為、クラスの目立つ女の子から嫌がせを受けていた。そんな姿を見た父は「将来ボスになれば、ああいう子たちを顎で使える」と励ます。その言葉通り、ジョーダン(レジーナ・ホール)の現在はアプリなどのコンピューターソフト関連の会社を経営している。アシスタントのエイプリール(イッサ・レイ)のことも顎で使い、会社ではみんなに恐れ、近づく者すら居なかった。会社の前でトラックでドーナツを売る店の娘の女の子スティービー(マーリー・テイラー)と言い争いになり、スティービーはジョーダンに向かって玩具の魔法の杖と共に「私と同じ位の女の子になりますように。そうしたらぶん殴ってやる」と願った。そして、次の朝、ジョーダンが目覚めると... 中学生ジョーダン(マーサイ・マーティン)に戻っていた...

最近、私はマンガを良く読む。その度に強く思う、「嗚呼、高校生の頃に戻って、こんなキラっキラした高校生活をまた経験したい」と。で、また思う。これがマンガだったら、私は次の日、「え?嘘でしょ???私、戻ってるぅうううううう~~」と、高校生の私に戻っている筈だと。でも、毎朝、高校生からウン十年経ったいつもの自分である。戻る訳がない!でも、映画もマンガもそのあり得ない事が起きてしまうから、ワクワクしてしまう。今回は、マーサイ・マーティンも出演している『Black-ish』の脚本家であるケニア・バリスもプロデューサーの1人で、マーサイを見て、トム・ハンクス主演の『ビック』のような作品を作りたいと思いついたそうだ。そのマーサイ・マーティンが上手い。表情とか大人の女を思わせて、レジーナ・ホール演じる大人のジョーダンままな所が本当に憎たらしい。でも、やっぱり子供な所もあって可愛い。その微妙なさじ加減が上手くて面白かった。『ビック』の時には、大人になってしまった主人公を理解し、そんな姿でも支えてくれたのは子供の親友だったが、今回は設定が逆なのもあるのか、大人のエイプリールが主人公を支える。大人のエイプリールが子供のジョーダンよりも子供ぽかったりするのも面白い。こういう年齢トリップ映画の面白さが出ていた。出演者3人ともにとても魅力的だし、ルーク・ジェームスの使い方も上手い。ジョーダンが開発したAlexaみたいなソフトの名前も面白かった。

夢がある。実際にはもちろん起きない。でも、映画やマンガなどの虚構の世界には、これ位の夢があったっていい。実際には無いからこそ、その虚構の世界で自分も子供に戻って、笑いながらフワっフワした気分で楽しめる。そんな映画だ。

(4.25点:1690本目)
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