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マイケル・ジャクソン映画化限界説『Michael Jackson: Searching for Neverland』

お気軽なテレビ映画を量産しているライフタイムチャンネル制作のマイケル・ジャクソン映画。裁判後のマイケルの晩年にボディガードを務めた男性2人の視点から描かれている。マイケルを演じたのが、イギリスでマイケルの物まねで活躍しているナヴィボディガードのビル役に『ウォーキング・デッド』などでお馴染みのチャド・コールマン。監督はTVシリーズを主に手掛け、そして映画『Take the Lead / レッスン! (2006)』の脚本家でもあるダイアン・ヒューストン。今回もマイケルを小さい頃から知るスザンヌ・ド・パッシーがプロデューサーとして参加。

2005年に幼児性的虐待で裁判になっていたマイケルは無罪を勝ち取る。マスコミの執拗な追いかけを避けるためにバーレーンに飛んだ。で、2006年のクリスマス前、マイケルはアメリカのラスベガスに戻ってくる。その時に雇われたのが、ビル(チャド・コールマン)だった。献身的なビルはマイケルからの信用も勝ち得た。マイケルが外に出ると相変わらず大騒ぎに。ビルはジェイヴォン(サム・アデゴケ)をパートナーにして、2人でマイケルを護衛した。そんな2人が見届けたマイケルの最後の素顔とは...

以前にツイッターでイギリス人俳優がアメリカ人役を演じている時に、夫は細かい訛りを察知するが、私はあまり発見する事はないと書いた事があった。でもね、今回はそんな私でも分かった位にマイケル役の人の訛りが気になりました。歌の物まねでは誤魔化せるんだよね。でも台詞となるとそうはいかない。

この映画で良かったのは、マイケルがボビー・ブラウンの「My Prerogative」が大好きだという事を知れた事。歌詞がマイケルの共感でしかないんでしょうね。分かる。すごーく分かる。納得。マイケルバージョンも聞いてみたかった。あと今回は監督も脚本家も黒人女性なので、黒人側が描くマイケルの姿に興味があった。やっぱりマイケルを変に悪く描く事はなかったし、マイケルはどんなにスターになっても黒人にとっては同士・ブラザーだという風にボディガードを通じて描かれたのは良かった。そのエピソードは笑ってしまう。And yes! got hot sauce in my bag, swag!!!

やっぱりマイケルもプリンスもだけど、彼らは唯一無二。独特なルックスもだけど、あのスタイルやかっこ良さや才能を完璧に描写するのって、物まねレベルじゃ無理。この映画、内容とかは頑張ったと思うけれど、マイケルのそういうプライベートな部分はあんまり興味なかったりする。それよりもマイケルの芸に対する姿勢や思いをもっと知りたいんだよね。プリンスは自分で『Purple Rain / プリンス/パープル・レイン (1984)』という半自伝的な名作映画を作った。マイケルも同じ位の頃に自分で自伝映画を作って欲しかったなーと、今になって思う。こういう映画を観た後だと余計に思う。そう思うと、レイ・チャールズの『Ray / レイ (2004)』は奇跡の映画だ。マイケルが描かれた同じテレビ映画でもABCの『The Jacksons: An American Dream / 日本未公開 (1992)』はかなり面白かった。あれが多分限界。

Michael Jackson: Searching for Neverland / 日本未公開 (2017)(2.25点:1555本目)