新しい形のティーン恋愛ドラマ『Everything, Everything』
ティーン恋愛ドラマって確かにこの年齢で見に行くのはちょっとキツイ。「ババアが1人で見てる」と後ろ指刺されそうで劇場で見るのは本当に恐怖。でもね、好きなの。しかもこの映画の監督も原作も黒人女性。黒人女性と日本人女性って確実に日本の少女漫画展開が好き!というのが、長年研究した私の仮説。『Love & Basketball / ワン・オン・ワン ファイナル・ゲーム (2000)』や『Beyond the Lights / 日本未公開 (2014)』のジーナ・プリンス=バイスウッドが私が最も信頼している少女漫画系監督で、『Belle / ベル 〜ある伯爵令嬢の恋〜 (2014)』のアマ・アサンテ監督、TVシリーズ『Underground / アンダーグラウンド (2016-Present)』の脚本家ミーシャ・グリーンにも期待している。この映画も漫画「タッチ」のように、お隣さん同士でしかも部屋が向き合っているパターンと聞いて、そりゃ恥を捨てて映画館に行くよね。
18歳の誕生日を迎える女の子マディが主役。彼女は極度なアレルギー体質で外に出る事すら出来ない。完璧に設備が整えられた部屋に閉じこもっている。マディの父と弟は交通事故で亡くなり、マディの母は医者なので収入があり、2人で暮らしている。母が仕事中に来るのがカーラというケアワーカーの女性でもう15年も一緒。そんな中、隣の家に引っ越してきたのがオーリーという同じ年ごろの男の子が居る家族。マディにとっては久々に見る同世代の男性。ワン・ダイレクションに居そうなルックスの男の子に釘づけになる。しかもその年ごろ特有のユーモアもある。オーリーも部屋に閉じこもっているマディに興味を持つ。2人は窓越しに会話するようになり...ぁああああ....
この映画で一番評価したいのが、2人の恋の障害がマディの病気という事で、2人の人種の違いじゃない点!というか、劇中でその人種の違いを全く触れない所が良い!全くですよ。2人の人種がどうとか関係ないから触れない。そんな所が新しいなーと。新鮮。ポスト・オバマだねと新しい風を感じましたよ。清々しい新しい風。
マディを演じたアマンドラ・ステンバーグがとにかく可愛い!恋に積極的なのが良かった。オーリー役のニック・ロビンソンもあの位の年ごろ感が良いね。と、2人の魅力が堪能出来る。オーリーの窓芸(窓越しの会話を私はこう呼ぶ)もお茶目な時とロマンチックな時もあり最高だったよ!恋に落ちる2人がお隣さんに逃避行と私が好きな要素がたっぷりでした。でもオチがぁあああ!原因になったその気持ちは分かるよ。分かる。でも酷過ぎるだろ!と思ってしまいましたね。完全に人生狂わせている。
それにしても『Kicks / KICKS/キックス (2016)』もだったけれど、主人公の少年・少女の夢や希望のメタファーとしてのスペースマンブームを感じました。
Everything, Everything / エブリシング (2017)(3.75点:1554本目)