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ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

I'm Through With White Girls / 日本未公開 (2007) 108本目

実はDVDのカバーのイメージやタイトルからスルーしようかと思っていたのですが、いつも読んでいるウェブマガジンEURwebで映画についていつも書いているカム・ウィリアムスが2008年のベスト映画の一つに選んでいた作品なので、それなら...と手に取って見てみました。

うーん、私はカム・ウィリアムス程好きになれなかったかな??確かに面白かったけれど、インディペンデンスの中で1位ではないかも。私が日本人だからか、気になる点が一箇所。そこがどうしても私的には許せなかった。黒人女性や黒人男性に対する対処は素晴らしいと思った。けれど、それ以外への配慮が無かったかな??タイトルにも使われている白人女性達には特に。そういう肝心な欠点が見えたのがどうも腑に落ちず。人種的なバランスが悪いので、肝心なメッセージが色褪せてしまった感じがしますかね。でも恋愛映画としては、とってもチャーミングな映画でした。監督が女性なので、女性が喜ぶような演出が多かった。相手役となる女性はこんな感じがいいな...とか、ああいう風に恋が始まっていけばいいな...とか、ああやって話しを聞いてくれる男性はいいな...とか、沢山。この主役の男の子が、これまたチャーミングなんだ。所謂「オタク」系なのだけど、オシャレなオタク系。N.E.R.Dのファレルとか??でもそれとももうちょっと違うのよね。今、L.A.にたむろってる若いコメディアン達がこんな感じ。まだ駆け出しのコミック作家(本人はグラフィック作家と言う)で、L.A.なのに車も持たず、普段は彼女の所に居候するけれど、彼女と別れた時は友達の所に居候、いつもグランジ系な中古レコード&コミック店に居て、Whodiniのポスターが宝物で、そしてスパイク・リー世代。そしてこの主役の決定的な部分は、生まれてこの方白人女性以外とは付き合った事がない。なぜなら黒人女性はマッチョタイプの男を望む為に、自分は自信がなくチャンスがないと思っている。またダンスが踊れない。この辺はわざとステレオタイプ的な部分を出したのか、あんまり映画ではハッキリ分からなかったかも。そして今回白人女性と別れた後に、今度は黒人女性にチャレンジしてみる... もう、その辺がコメディですね。かなりセンシティブな部分を結構サラリと出してます。親友のドレイクのお婆ちゃんもかなりエグイです。「私は人一倍色が白かったので、私は白人で通っていたの(Passing)。そして若い時はブイブイ言わせて、もちろん相手もライトスキンの男ばかりよ。」みたいな台詞を平気で言います。そのお婆ちゃんの言い方や周りの反応等は、黒人の間に見えない壁としてあるヒエラルキーが見え隠れしてます。

そして主役の相手役のキャサリンを演じたリア・ジョンソンとその双子の姉妹フィリス・ジョンソンがプロデュースもしています。キャサリンは、物凄く美人という設定ですが...うーん。写真で見ると結構綺麗なんですが、今回は役に合わせてドレッドロックスで、しかも様々な色をつけているんですが、うーん。でも多分、オシャレな感じの人達が好きそうかなーって思いました。魅力的なんでしょうね。ちなみに主役の男の子の方はアンソニー・モントゴメリーで、有名ジャズギターリストのウェス・モントゴメリーの孫。残念ながらお爺ちゃんが亡くなってから、この世に生まれてきたのでお爺さんには会ってない。

癖のあるキャラクター達が面白かったですね。「黒人」といえども、もちろん様々な人が居て、性格も皮膚の色だって人それぞれ違うのが当たり前。そしてステレオタイプが当てはまってしまう時はあるかもしれないけど、それが全てじゃない。その辺が見えそうで見えてこなかったのが残念かな?最初に書いたように人種を描くバランスが良く無かった。でもDVDジャケットから想像する以上には面白い。英語で良く言う「Never Judge a Book by its Cover(見た目で判断するな)」がそのまんまかもしれないですね。


一番左が監督、その隣がリア・ジョンソン。


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(4点/5点満点中:DVDにて鑑賞)