Brotherhood of Death / 日本未公開 (1976) 146本目
クエンティン・タランティーノ映画の熱烈なファンじゃないし、どちらかと言えばそんなに好きじゃないんだけど、タランティーノが好きな映画は好きみたい。割りと好きなものが被るので趣味が似てるのかも??この映画は、そのタランティーノが主催していた映画祭でも公開された作品。そのお陰なのか、すごく保存も良いようで画像とかも良かった。でも、途中までは死ぬほどつまらない。特定の地域が舞台ではないんですが、南部のどこかが舞台。台詞でもモントゴメリーに行くなんて言っていたので、アラバマ辺りなんでしょうか??その南部の牧歌的な風景とは全く似合わないアップテンポなソウルがオープニングには流れます。本当に音楽と風景が全く似合わないんですわ。更には農業している黒人達を見ながら、Nワードやらの連続。この映画最低だわね。と思いつつ、事件勃発。黒人の若者(主役)達に向かって、どう見ても冴えない白人男性が「お前等、白人女性が車に乗っているのが見えないのか!!」と叫びます。はぁ??な台詞に大笑い。そんなこんなで、いきなり主役の若者達がベトナムのジャングルの中。黒人の上官に様々なトレーニングを受けています。もういきなりな感じで、映像をどこからか持ってきて繋いだ感じが丸出しです。でも、そのベトナムから主役の3人が帰って来てからが、断然に面白くなります。ブラックスプロイテーション映画なんだから、銃を乱射していてもおかしくないんですが、取りあえず牧師さんと組んで町の人に投票を呼びかけるビラを配ったりと、非暴力で献身的。しかし、そんな3人を見て町のクー・クラックス・クランのメンバーが暴力で対抗してくるのです。しかもそのKKKの主力メンバーが... と色々あって面白いのです。この映画の前半と後半は丸で違う映画のようです。台詞も上に書いたような面白いものが多かったです。ミリタリーのユニフォームをモンキースーツと呼んでしまったり。キャストも元NFLというのが売りなんですが、主役の一人のレイモンド役のロイ・ジェファーソンがワシントン・レッドスキンズに居た選手。とは言え、スーパースターという感じではありません。もちろんフットボール好きには知られている名前ですけど。他にも何人かレッドスキンズの選手が出ています。
最後に映る「The KKKK Welcomes You to Smithfield」というKKKの看板は実際にあったものを使用したそうです(看板のKが一個多いのは Knights of the Ku Klux Klanなので)。ノースカロライナのスミスフィールドという所らしいです。もちろん今は無いみたいです。でもこの映画を撮影した1976年前後には確実にあった訳で...このスミスフィールドという町は調べてみたら、今現在で30%以上の黒人が住んでいます。割りと多い。その当時はどの位住んでいたか分かりませんが、今とそんなに変わらない位は居たんじゃないかな?って思います。その人達があの看板をどのように見ていたんだろう?と考えると、この映画のラストは感傷深いものになります。
この映画に出てくるバーテンダーのエースを演じていた人が中々。IMDBにもクレジットされていないのですが、マイケル・ホッジという俳優。色んな映画にちょこちょこと出ていて「Malcolm X / マルコムX (1992)」にまで出ていたらしいです。「Boycott / ボイコット/キング牧師の闘い (2001)」ではキング牧師のお父さん役。ほほぉー。このおじさんが、主役の若者3人に負けない位がんばるのよ。
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(4点/5点満点中:DVDにて鑑賞)