最近ちょっとお疲れちゃんなので、コメディが見たい!と思って目に飛び込んできたのがこの映画。これ昔見て、ゲラゲラと笑った覚えがあったんだけどな... リチャード・プライヤーの中でも好きな作品な筈だったんだけどな... 時が経てば、映画への思いも変わるものですね。
私、リチャード・プライヤーも大好きですが、意外と?ジャッキー・グリーソンも大好き。「恋のじゃま者」は名作。その2人が共演ですからね。この映画が好きで何度か見ているのですが、でも最近は久々。というか、多分15年以上は軽く見てない。15年分私も成長してしまったせいか、やるせない気持ちになってしまいました。80年代初期って、人種摩擦を割りと軽快に描いていて、それが逆に良かったことが多かった。でもこれも割りと軽快に人種を描いているのだけど、なんだかなーという感じになってしまいますね。リチャード・プライヤーもジャッキー・グリーソンも頑張っていたけれど、何か空回りかな。
アメリカの批評家達のコメントを集めたサイトRotten TomatoesのTV番組の中で、子供に見せてはいけない子供映画のトップ5の中のひとつに選ばれてしまった作品でもある。理由のひとつは人種の描き方にあると思うのだけど、もう1つはこの映画の子役がポルノ男優になったという事実にも皮肉を込めて選んだらしい。この子役がアメリカの「ザ・子役」っていうルックスなんだよね。トム・ソーヤぽい風貌。まあ話し方もそんな感じ。
物語はお金持ちのボンボンの息子が「あそこの面白黒人連れてきて!」と、リチャード・プライヤーを玩具にしちゃうのです。後はお決まりですね。面白黒人が白人を救うの巻です。まずリチャード・プライヤーが演じたジャックというキャラクターは、お金で買われて好きに扱われるというのは、なんともスッキリしない。所謂、奴隷に近い。鞭で背中を打つ訳じゃないけど、結局は買われた方はお金で縛られていて、使われる身。自由は無いよね。奴隷時代だったら、ハウス・ニグロっていう状態。そしてなぜかジャックは子役の世話役の女性にやたらと襲われそうになる。黒人男性の性的な神話を無駄に感じられる。ジャックには落ち度は全くないけれど、所謂、バックスと呼ばれる黒人のステレオタイプ。そして最後にはこのお金持ちの家族の問題を家庭に入って解決しちゃうっていうから、これは完璧にハティ・マクダニエルズに代表されるマミーの定番。と、まあスッキリしないよね。確かにリチャード・プライヤーぽい台詞に味付けは感じられるんだけど、そんな台詞もこの映画の後味の悪さを助ける事は出来なかった。まあ何より、大好きなジャッキー・グリーソンが南部の超差別男に見えちゃうのが残念だった!!つーか、この作品が「グーニーズ」とかのリチャード・ドナー監督っていうのが、ショックですわ。
今だったら、設定が逆で黒人がお金持ちで...とかで、リメイクとかあるかもしれないけど、それはそれで面白くなさそうだわ。
あの頃の私はまだまだこんな事は分かるような10代じゃーなかった。確かにだから子供には見せてはいけない子供映画だね。
(3.5点/5点満点中:6/14/12:DVDにて再見)