「Django Unchained / ジャンゴ 繋がれざる者 (2012)」っていうのもあるけど、もう「Black Dynamite / 日本未公開 (2009)」の続編のウォームアップ開始。ってまだ作られてもいないけどね。で、その作られるであろう「Black Dynamite」の続編は、この「ブレージング・サドル」風になるらしい。
「ジャンゴ」では、Nワードの使用でも色々と論議されたけど、この映画のNワード使用率も酷いよ。もちろんこの映画が作られた時にも、それは論議された。この映画の脚本家として名を連ねているのが、あのリチャード・プライヤー。メル・ブルックスはワーナー・ブラザースからNワードを削除するように言われたけれど、リチャード・プライヤーと主演のクリーヴォン・リトルからの支持を受けて、そのままにしている。という訳で、黒人が主役の西部劇コメディ。しかも国立フィルム保存までされている作品なのだ。
という訳で、クリーヴォン・リトルが演じたのが主役のバート。鉄道レールの作業員だったが、メル・ブルックス演じる知事とその手下であるヘッドリーという男の悪知恵で、彼等が狙っている町の保安官にバートを任命してしまう。そうすれば町の人は逃げてしまうか、バートをリンチしてしまうであろうという企み。どっちにしても彼等には都合が良い。逃げてしまえば土地を安く買えるし、バートは元々吊るし首にされる所だったから、バートの命なんて大した事ないと思われていた。所が、バートは機知に富んでいて、町の人達を上手く丸め込んでしまう。しかも、そこの牢屋にはウェイコ・キッドと呼ばれている早撃ちの名手が居た。バートとウェイコ・キッドは意気投合し、二人は町をヘッドリーと知事の悪企みから救おうとする。
ウェイアンズ家族なんかもやっているパロディの元祖的。くだらない事をとことん追求して、細かく弄る。メル・ブルックスが着ていた「知事」って書かれたスーツもそうだし、ヘッドリーの名前をみんな「ヘッディ」と間違えるのも徹底していて面白い。そして町の住民の名前がみんな「ジョンソン」。アメリカではジョンソン名多いよね。後ろの垂れ幕に書かれた名前がみんなジョンソン。後は雇われた悪人達が豆を食べていて、みんながおならしちゃうシーンも長い。けど笑ってしまう。ウェイコ・キッドの早撃ちのシーンとかも、小学生並だけど笑ってしまう。歌の部分も面白い。やたらと黒人側が上手い。最後はいきなり映画のセットに殴りこみ。ヒットラーが食事していたりと、もう無茶苦茶。
ちなみにメル・ブルックスは、主役にリチャード・プライヤーを考えていたそうだ。しかしその頃にはまだ主演を務めた事がなかったプライヤーは、自信がなく断ったらしい。でもこの映画がきっかけで、ウェイコ・キッドを演じたジーン・ワイルダーとプライヤーは一緒に沢山映画を作った事は有名。やっぱりメル・ブルックスはコメディに関しては先見の明があったんだね。というか「Real Recognize Real」かな。
(4.5点/5点満点中:Unknown, 2/8/13:DVDにて鑑賞)