Girlhood / 日本未公開 (2014) 1360本目
カンヌ映画祭(今年じゃなく去年のね)でプレミア上映されたフランス産の青春映画!!インディ気質に溢れる作品です。
アメリカンフットボールで汗を流す女の子たち。試合後にはお互いを称え合い、帰り道はみんな仲良く和気藹々。年頃だけにその話し声はうるさい。しかし自分たちが住むゲトーに近づくと怪しい男たちが夜なのにただ立っている。気まずそうに通り過ぎる。そしてやがて自分たちが住む所に入ってくると、数人が分かれ、また一人が分かれ、最後には一人(カリージャ・トゥーレ)になった。その子は男の子たちの前を通り過ぎ、一人の男の子(イドリサ・ディアバテ)に「お兄ちゃんの所に来るの?」と恥ずかしそうに聞いた。男の子はそっけなく「いやあいつの方がやってくる筈だ」と答える。女の子は家に入ると、すぐに妹たちの世話に追われた。一通り終わって、やっと食事。そして寝る前には妹と「ブラしてるの?」とふざけ始めた。寝付けず、別の部屋でサッカーのビデオゲームをしていた。帰ってきた兄に頭を叩かれた。次の日、学校に行くと先生から、成績が悪いから高校は無理で専門学校に行けと言われた。女の子は先生に頼みこむも拒否。その子はもう2年もダブっていたのだ。普通の高校に行く事を希望している。余りにムカついたので学校を飛び出した所で、女の子3人組に話しかけられた。彼女たちから名前を聞かれ「マリエメ」と答えた。3人はマリエメとは真逆のタイプで、どうみてもちょい悪ギャルタイプ。恐々とその場を離れるマリエメ。でもマリエメがずっと恋心を抱いている兄の友達のイシュマエルがいる男の子グループと仲良さそうに話している3人を見て、マリエメはちゃっかりその輪に入った。そしてその後、パリにて学校をサボって遊ぶ。最初は怖かった3人だったが、リーダーの人情味溢れるレディ(アッサ・シィラ)、弁の立つアディアトゥ(リンゼイ・カラモゥー)、体つきがもう不良であるフィリー(マリートゥ・トゥーレ)に徐々に心を開いていくマリエメ。しかし兄の暴力は日に日に酷くなっていく。それを埋めるように3人と遊ぶマリエメ。そしてイシュマエルと話す度胸も次第に得ていく。喧嘩に万引きにかつあげ...と、マリエメの生活は一転していくが...
最高〜〜〜に面白かった!この年頃の女の子の深層心理が事細かに描かれているな!と、いちようこの年ごろをかなり昔にはなりますが経験した一人として感じました。「分かるわー」と凄く思った。私はギャルでも不良でもヤンキーでもなかったけどね。それでも彼女たちの気持ちが痛いほど分かった。アフリカからの移民が沢山住んでいるフランス。そんな一片が観れた気がする。とは言え、監督は白人女性。人種というよりも、女性の普遍的なティーンの難しさを描いたのが良かったんでしょうね。でも黒人だけ使いやがって!という批判もあるらしい。信じられない話だけど。いや、この映画の主役を演じたカリージャ・トゥーレがインタビューでサラっと言っていたけど「フランスには黒人の女優なんていないから、監督はキャストを探すのに非常に苦労したのよ」って言っていた。そっちの状況の方がよっぽど批判じゃないのか!!と私は思う訳ですよ。確かにフランスの黒人女優って私も知らないわ。いや待って!...ああやっぱり知らないわ!誰か居る?ジョセフィン・ベイカーはアメリカ生まれだし。あ、『Rush Hour 3 / ラッシュアワー3 (2007)』のノエミ・ルノワールとか居るか。でもモデル上がりで女優!っていう枠でもない気がする。という訳で今回は監督がストリートで見つけて来た子が多いらしいです。その子たちの演技がいい感じ。リーダーのレディ役の子とか最高だね!
一番好きなシーンがホテルの1室で、リアーナの「Diamonds」に合わせてみんなが口パクで歌い踊るシーン。青い照明の中で着飾ってリアーナになりきる。盗んだドレスで踊りだす〜♪もうこのシーンが最高過ぎます!リアーナにちゃんと確認取って、撮った後にそのシーンを見せたら、リアーナ側が使用料を最低ラインまで引き下げてくれたらしいですよ。まあそれ位にいいシーン。リアーナの不良性と女の子たちの夢が脆そうでドキっとしちゃうんです。
そしてマリエメの初恋も追っているのが胸キュン度が高い。確かにイシュマエル君が男前。2人の恋がこれまた青春度を加速させております!!女番町映画に初体験映画までプラスされちゃった感じっす。
(4.5点/5点満点中:5/21/15:DVDにて鑑賞)