これね、あり得ない位斬新!あの伝説的な『Wild Style / ワイルド・スタイル (1983)』の監督チャーリー・エーハンが、80年代後半に住んでいたタイムズスクエアにあった(正確には43rdと8th Ave.)アパートの部屋から路上で起こった事(主に夜)を記録しているだけ。なので上からのショットばかり。しかも遠目。ね、斬新でしょ!でもね、当時のニューヨークだから、それはそれは色んな事が起こる。夜に拡声器で聖書を読んでいる人とか、黒人女性同士の喧嘩とか、夜中に音楽掛けて踊っている人たちとか、逮捕されたけど逃げてすぐ捕まる少年とか、白人男性と黒人男性の喧嘩とか、銃声?とか、大きなリムジンが止まっていたりとか、叫ぶ女の人とか、警官の車が10台くらい来たりとか... あああの頃はこんなにギラギラしていたんだなーと。ちなみに拡声器で聖書を読んでいる人が居ましたが、あれと全く同じような感じでうちの留守電に入っていた事2回もあった。怖いよー、マジで。
ちなみにDVDにはチャーリー・エーハンの最近のインタビューもおまけ映像である。なんでもこの近辺がウータン・クランのカンフーおたくRZAも通ったであろうカンフー映画ばかりを上映する映画館があったそう。それもあって、監督はあの素敵な黒人カンフー映画『The Deadly Art of Survival / 日本未公開 (1979)』を思いついたという。そして!この映像を撮っていた頃、あの『Paris Is Burning / パリ、夜は眠らない。 (1990)』もアパートの真下で撮影されていたって!近くに彼らのボールがあったのがその理由。それも観たかったー!って、人の映画を勝手に録画しちゃーいけないか。
チャーリー・エーハンの奥さんがアーティストで、その2人の間に出来た子供ジョーイの成長記録でもある。彼の誕生日が2回位出てきて、妹が出来る。なので2年位、ただ路上を取り続けたんだと思う。彼らが飼っているネコが、ネズミの死骸をぉおおお....あわあわ... と、いきなりグロテスクなシーンもあったりするけど、どれもニューヨークぽい。寧ろニューヨークしか感じない。
最高に面白そうだった80年代後半のギトギトギラギラしたニューヨーク。そんなニューヨークが100%そのままに残っている斬新な作品だ。
Doin' Time in Times Square / 日本未公開 (1991)(4.5点:1545本目)