何度でも書かせてもらいますけど、ニック・キャノンがマライア・キャリーと結婚した時、日本で「ラッパーのニック・キャノン」と書かれて、お腹抱えて笑ったのが今でも忘れられない。まあ一様音楽活動もしているので、間違いじゃないんだけど、アメリカ黒人にとっては全然そのラッパーの印象はない筈。彼も色んな肩書を持つけれど、ニックのキャリアのスタートはスタンダップ・コメディ。10代の頃、しかもローティンの頃からステージに立っていた。デイブ・シャペルと同じ。ニックはルックスもそこそこ良かったので、子供向けのニコロデオンの番組に出演したりで、アイドル路線に。みんなもうすっかり忘れているけれど、NFLのレジー・ブッシュやKanye Westよりも先にキム・カーダシアンと付き合っていた(いやただやっていただけかもしれない)時代もある。短かったけど。という訳で、日本では未だにマライア・キャリーの絶大なる人気の為、「マライアの夫」呼ばわりされているニック・キャノンの原点に戻ったスタンダップ・コメディ・ライブを!
っていうニックの前説を全てニック自身で自虐ギャグ的にバッサリと切っていて割りと面白かった!という私もコメディ映画のニックやニコロデオン時代のニックは知っていたけれど、スタンダップは実は見た事なかった。DVDとか見た事なかったら。でも調べたら、ちゃんと出ているんですね。失礼しました!スタンダップ・コメディアンという肩書を持っているのに、未だスタンダップコメディを見た事ない人が、ニック・キャノンと『Percy Jackson & the Olympians: The Lightning Thief / パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 (2010)』のブランドン・T・ジャクソン。なので、無類のスタンダップコメディアン好きの私からすると「どうせアイドル系でしょ」と多少バカにしていた所はあった(素直です)。そんな酷いフィルターをかけている私が見ても面白かったよ。意外と客イジリが上手い。私が崇拝するRobin Harris (ロビン・ハリス)とかBernie Mac (バーニー・マック)などのシカゴ出身コメディアンが客イジリが物凄く上手いんだけど、サンディエゴ出身のニックがそれが上手いとは驚いた。『America's Got Talent』の司会やって腕上げたね。そしてその番組のお陰か、なぜか客席には50代の白人夫婦とその2人のお母さん?70代?80代?のおばあちゃんが!その3人との絡みが非常に面白くて上手い。そういう所はアドリブの上手さも見えたよ。そして観客を乗せるのも上手いね。観客にトゥー・ショートが普通に居たのが受けた。コメディ界の宝Dick Gregory (ディック・グレゴリー)のアドバイスも!最近ディックがニックのメンターになっているよね。
そしてやっぱりニックと言えば、マライア。マライアの話も最高に面白かった。でも面白すぎたせいで、もうマライアを普通に見れない。特にニックとのショットとかは、「ああニック、裏ではあんな風に思っているんだ」と思っちゃう。マライアの事も含めて色々と経験積んで、アイドル脱却して大人になったなーと。と、しみじみ笑いながら思いました。
Nick Cannon: Stand Up, Don't Shoot / 日本未公開 (2017)(3.75点:1533本目)