タイトルの「シャタ」とは、ジャマイカの言葉でギャングの事。という訳でジャマイカ産のギャングスタ映画。なんとそのジャマイカが生んだ国際的な伝説...ボブ・マーリーの息子キマーニ・マーリーが主演!キマーニは何番目になるのかな?ボブの子孫は多くて分かりませんが、お母さんはジャマイカの卓球チャンピオン。ボブ・マーリーの所は異母兄弟でも仲良いよね。という事で、この映画も異母兄弟の1人ダミアン・マーリーの「Welcome To Jamrock」で幕開け。このアルバム聞きやすくて好きです。ボビー・ブラウンとの曲も好き。この映画では使われてませんけど。「Welcome to...」は冒頭からテンション上げてくれますよね。
1978年、ジャマイカのキングストンにあるウォーターハウスと呼ばれている所で、親友のビッグスとウェインは育った。まだ小学生位だったが、学校にも行ってなかった。貧乏だったので、銃さえ手に入ればお金も手に入るのになーと、彼等のような子供の目の前で平気で殺人が起きるような場所だったので、そう思っていたのだ。ウェインは銃が隠してある場所を知っていた。2人は銃を手にしてコーラ配達の男を襲う。まんまと大金を手にした2人は、そのお金でビザを購入し、ジャマイカを離れビッグスの家族が居るアメリカのマイアミへと渡った。それから20年後、ビッグス(キマーニ・マーリー)はアメリカで捕まり、ジャマイカへ強制送還。先に同じように強制送還させられていたウェイン(スプラガ・ベンツ)とマッド・マックス(ポール・キャンベル)が空港に迎えに来ていた。ウェインとマッド・マックスは、既にジャマイカでギャングとして稼いでいたのだった。ビッグスが来てからすぐにそのウェインのギャングたちは警察と闘争してしまう。政治家も買収して関わっており、その政治家の手により、またアメリカへのビザを手にいれる3人。マイアミに渡り、そこでも3人でまたギャングとして頭角を現していくが、先にいるジャマイカ系のギャングとイザコザになり...
とかなり濃いです。あの「One Love」を歌っていた歌手の息子がこんなエグイギャング映画をーーー!!ってちょっとビックリしましたわ。でもギャング映画として中々面白い。ジャマイカ系ギャング、恐るべし!ですわ。なんていうか、ギャング映画に求める物がちゃんと全部そろってますね。血なまぐさい銃撃戦、血の気を引くような冷酷さ、ギャングの忠誠心、兄弟愛、そして頭悪そうな女の作られたプラスチック感たっぷりなエロ。台詞もね、捻りがない単純な台詞が逆に良い!「My Brother for life(俺の永遠のブラザーだ)」とか「All Gangsters must die!(全てのギャングスタは死ぬべし)」とか。そして名前も超カッコ良いが、それを裏切らないマッド・マックスの狂犬ぶりが最高!かなーーーりイッちゃっているキャラクター。この人だけ、レゲエアーティストじゃなくて、ジャマイカで昔から活躍している俳優らしい。素晴らしいキャラ設定よ。ギャングと言っても、ウォーリアーと言われる戦闘タイプと、リーダータイプが居て、マッド・マックスは完全にウォーリアータイプ。街中では絶対ーーーに会いたくないタイプだけど、ギャング映画では一番盛り上げるタイプ。
ただ、このラストが舞台が同じマイアミだけあって「Pain and Gain / ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金 (2013)」と似ているんだけど、「ペイン&ゲイン」があんなにカッコ良かったのに、こちらはインナー・サークルの曲。いや、インナー・サークルの曲自体は超いいんだけど、なんか風景とはマッチはしていなかったかも。詩はこの映画とぴったりなんだけど。
ちなみにウェインの子供の頃を演じたのが、ウェインを演じたスプラガ・ベンツの息子。ジャマイカ感たっぷりの訛りで良かった。この子、数年前にジャマイカで殺されてしまった。残念。キマーニが演じたビッグスはビッグス感なかったよねー。子供時代を演じた子はビギーの息子みたいでビッグス感あったのに!
期待通りの映画です!悪ーーーい人たちが出ている映画が見たい時に見てもらいたい作品。ジャケットから感じる通りのそのままの作品ですわー!点数低いけど気にしないで!良い映画じゃないけど、確実に面白い映画だから!
(3.5点/5点満点中:4/30/14:DVDにて鑑賞)