Together Brothers / 日本未公開 (1974) 1146本目
70年代というと、ブラックスプロイテーションなので、アクション映画の全盛期。だけど、私はこの時代の青春映画が物凄く好きでマニア。この時代の黒人青春映画はやたらと甘酸っぱくて、そして生々しい。見事にハマると、たまらんのですよー!!「Cooley High / 日本未公開 (1975)」とか「The Education of Sonny Carson / 番長ブルースUSA (1974)」とか、大好きなんですよー!!と主張したくなる程、大好きなんですよー!!という訳で、70年代の青春映画+サスペンス映画!
ミスター・クール(エド・バーナード)は黒人コミュニティで親しまれていた警察官。ギャングという程じゃないけれど、黒人コミュニティの同じ年頃の少年達をまとめていたのがH.J.(アマード・ナーディン)。H.J.もミスター・クールを尊敬し、ミスター・クールの説教なら耳を傾けていた。しかしそのミスター・クールが町を巡回中に何者かに殺されてしまう。しかもその現場にたまたまいたのが、H.J.の幼い弟のトミー(アンソニー・ウィルソン)。犯人はトミーを殺そうとするが、弾切れでトミーは難を逃れた。しかしトミーはそのショックで言葉を失ってしまう。H.J.と仲間達は弟トミーの為、そしてミスター・クールの為に犯人を捜す事にしたが...
と、主人公が白人の男の子達だったら、ヤングアダルト系の小説になりそうな物語。でも黒人の男の子が主役だと、アーバン系のブラックスプロイテーション的サスペンス映画になってしまうのです!黒人の少年団だけでなく、チカーノの少年団も出てくる!最初はお互い警戒しあうんだけど、手を組むと警察だってケチョンケチョンで最強。ああいう感じ好きだわ。そして弟のトミーを演じたアンソニー・ウィルソンが可愛い!「ホーム・アローン」的。彼が逃げるシーンがあるんだけど、あーんもう早く逃げてー!!と心の底から応援しちゃう。サスペンスとしては、足元と足音という古典を使っているんだけど、そのトミーの愛くるしさにKOされて、ドキドキします。
そしてトランスヴェスタイトが出てくるのもユニーク。演じていたのが、リンカーン・キルパトリック。名優。素晴らしい!!そして上で書いた「Cooley High」で高校生の主役プリーチを演じていたグリン・ターマンがこの映画では精神科医を演じてます。ちょっとしか出てこないけど。今考えると、本当に「Cooley High」は奇跡的な映画だわよね。グリン・ターマンが次の年には高校生役で通用するんですもの!!2人以外にも、お葬式の時の牧師を演じていた女性は有名なゴスペルシンガーのベシー・グリフィンだったりする。
ずっとロサンジェルスが舞台で、最後もロサンジェルス港なんだろうなーと思っていたら、なんとテキサス州のガルベストンが舞台らしい!!珍しいよね。ずっとロサンジェルスが舞台だと思っていたから、トミー少年はサウスセントラルからロサンジェルス港まで走って逃げたものだと思い、トミー、すげー!!と思っていました。かなりの距離なのよ。大人でも走るのは無理。マラソン走者じゃないと無理。ガルベストンが舞台なので、その地の出身者であるバリー・ホワイトが曲を担当しているのです。この映画の事は知らなくても、バリー・ホワイトのサントラは知っていて持っている人も多いでしょう!映画も中々面白いよ!
(4.5点/5点満点中:8/19/13:TV放映にて鑑賞)