ポスターの感じから、ミスターTが1人タクシーで大暴れしているアクション映画だと勝手に想像したんですが、完全に「Car Wash / カー・ウォッシュ (1976)」をワシントンDCのタクシー会社に舞台を移したした作品ですね。でもこれはこれで最高に笑った。ジョエル・シュマッカーお得意の群像劇。この人、本当に群像劇が巧い。まあその真骨頂が「セント・エルモス・ファイアー」ね。この映画は「カー・ウォッシュ」と同じくコメディアンを集めて作ったコメディ。黒人のコメディアンも随分と興味深い人ばかりが出ている。チャーリー・バーネットにホイットマン・メイヨにジム・ムーディにマーシャ・ワーフィールド。まあ全員、日本人には馴染みが全くないですよねー。マーシャ・ワーフィールドは80年代にTVシリーズで有名な人で、当時はウーピー・ゴールドバーグかマーシャか?とまで言われていた人。ホイットマン・メイヨは、レッド・フォックスの「サンフォード&サン」というシットコムで第3のキャラのグラディとして活躍。レッド・フォックスが病で出れない時には、大活躍していた人です。そして、ジム・ムーディーは....なんと「Dance Flick / 最強絶叫ダンス計画 (2009)」で、マーロン・ウェイアンズが演じていたミスター・ムーディのモデルとなった人なりよ!マーロンがNYの芸術学校時代に、演技の先生をしていたのがジム・ムーディ。あのマーロンが演じていたバーコード頭でこの映画にも出てますよ。そして、チャーリー・バーネット。この人はスーパースターになっていたかもしれないコメディアン。「サタデー・ナイト・ライブ」のレギュラーに決まりかけていた。しかし最後の最後でエディ・マーフィが現れ、彼にレギュラーを奪われた人物。デイブ・シャペルは、このチャーリー・バーネットにくっついていた時期があった。スタイルは全く違う二人だが、デイブはこのチャーリー・バーネットに多大なる影響を受けているのです。彼のスタンダップライブ「Killin' Them Softly」は、このチャーリー・バーネットに捧げられています。で、なんで我々はチャーリー・バーネットを知らないか?ですよね。それは1996年に41歳という若さで他界しているからです。この映画で、そのチャーリー・バーネットは最高に輝いております。ピッタリな役で実に活き活きと演じております。この映画に出ている人みんなそれぞれが、本当にピッタリな役なんです。それがジョエル・シュマッカーの巧さ。ミスターTも、やたらと近所の子供たちを思う正義のヒーローバカで最高!そのミスターTが、みんなを説得させるために演説していたのが、後で引きで見るとリンカーン記念館。最高!
もうとにかく明るい。最悪な状況でも明るい。ベトナム戦争も明るく描写。もうとにかく80年代!最後にはアイリーン・キャラの歌。やたらと軽快。でも、私はこんな感じのアメリカを10代の頃に見ていたから、アメリカ好きなんだよねーと思い出しました。ザ・80年代。最高ー!!
(4.25点/5点満点中:3/3/12にDVDにて鑑賞)