Night of the Living Dead / ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生 (1968) 780本目
はぁ、これ見たらこれ→「Ganja & Hess / ガンジャ&ヘス (1973)」をまた見たくなりました。そうです。ホラー映画の黒人俳優の歴史を変えた(実際に変えたのはジョージ・A・ロメオかも)デュアン・ジョーンズ主演の作品。黒人が映画の主役になるのもまだ珍しかった時で、ホラー映画となるとオールブラックキャスト以外の映画では皆無。ロメオは最初の頃は黒人を主役にする事は考えてなかったらしい。だから役名は黒人ぽくないベンという名前。でも結果そうなった。そうなったからこの映画は面白いと思った。最後、主役が白人だったらこの映画の意義は一つ薄れていた。南北戦争の激戦地で多くの兵士が眠り、数多くのオカルト現象が起きる事でも有名なペンシルバニアが舞台。そこの墓地に眠る死者達がよみがえり、ゾンビとなって人々を襲う。多くの白人のキャラクターが意気消沈している中、黒人のベンは1人生き抜く為に奮闘する。元々、この役に黒人を考えていなかった為、劇中それについて触れられる事は無いのも面白い。でも最後の最後に...ぐぐぐ...切ない。もしあれが、トムだったら... クーパーさんだったら... あのいかにも偏狭ぽい男の人達はあんな風な決断をしただろうか??切ない。切な過ぎるのであります。
気持ち悪い音楽とかモノクロとかが余計に気持ち悪いですね。1999年には国立フィルム登録簿入り。私の大好きな「Killer of Sheep / 日本未公開 (1977)」と同じ所で眠っている訳です。
それなのにさ、なんで黒人はホラー映画で真っ先に殺されちゃう要員になってしまったんでしょうか?ジョークになっちゃってるよね。「黒人男性はストリートで25歳まで生き延びるのも難しいが、ホラー映画で10分間生き残るのも難しい」とかね。切ないねー。だからあんまりホラー映画見ないのもあるのよね。苦手なのに大好きなオマー・エプスが出るからと我慢して「スクリーム2」見たのに、ジェイダ・ピンケット=スミスと共に最初の5分で死んだ時は暴れそうになった。しかもトイレって。あれは酷かった。でも「Scary Movie / 最終絶叫計画 (2000)」で茶化してくれたので少し復活したけど。
本当に色々と切ない。ああー、切ない。結局ラストのあのような結果になってしまった事が一番怖い。ゾンビじゃないね、敵は生身の人間ね、黒人にとっては。
(5点満点:DVDにてセンチメンタルジャーニーで鑑賞)