はい、もちろんこの前の「99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜」を見てから感化されて見ました。スティーブン・オカザキという日系3世が作ったドキュメンタリーでアカデミー賞のドキュメンタリー部門にノミネートも果たした作品。「99年の愛」では家族愛という面から日系人と第2次世界大戦の悲劇を描いておりました。2世の一郎は「俺はアメリカ人」なんだと、アメリカ軍に入り戦って亡くなりましたが、こちらのドキュメンタリーの題材となったミノル・ヤスイとゴードン・ヒラバヤシとフレッド・コレマツの3人はみな2世で「俺はアメリカ人、だからこそ戦争に行くかどうかは俺が決める権利がある!」と戦争行きをしなかった。しかし3人は捕まり刑務所に入れられた。アメリカ人なのだから強制収容所に入れられるよりも刑務所の方がマシと考えた。ミノル・ヤスイは弁護士。元々アメリカの陸軍に所属していたので戦争がただ単に嫌だとかそういう訳じゃない。戦争が始まって、アメリカの日系人に外出禁止令時に逮捕される為に外を3時間も歩いている。法を扱う者として法と真っ向に立ち向かう決心をしていたとの事。だから「全く罪を犯しているなんて思ってなかったね」と話している。ゴードン・ヒラバヤシはクエーカーの信仰に反すると思い戦争には参加したくなかった。フレッド・コレマツはその時白人の彼女が居て、その女性と離れ離れになるなんて真っ平だと思って立ち退きを拒否。変装等をしていたが、ガールフレンドの親などがFBIの執拗な脅迫に遭っていた。という事で3人は犯罪者としての記録が残ってしまった。
そこで立ち上がるのが同じ2世やその子供達日系3世。弁護士や教育者となった彼等が、3人の評判を取り返す為にアメリカを相手取り1984年に公式命令9066は違法であったと訴えたのである。最初に選ばれたのがフレッド・コレマツの裁判。彼の以前の犯罪は覆され、コレマツは違法ではなかった事を証明した。このドキュメンタリーはここまでで終わっているが、残りの2人も後に同じように証明されている。しかしミノルはその後すぐに亡くなっている。
このDVDのボーナス特典で、戦争当時にアメリカ政府が作ったという映画ニュースがついている。それを見ていると、日系1世が「エイリアン」である事を強調する。「外国人」という意味があって正式な言葉ではあるが、どうもこの「エイリアン」は日本語で言う「外人」というニュアンスに近いものがある気がする。結局はよそ者である。シガニー・ ウィーバーがいつも対決しているのだってエイリアンですからね...
同じ題材であるけれど、このスティーブン・オカザキがスパイク・リーなら、橋田壽賀子はトーマス・カーターだね。
(5点満点:DVDにて鑑賞)