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District 9 / 第9地区 (2009) 790本目

噂通り!面白かった。作り方もドキュメンタリー調。そうか、これを先に見ておかないといけなかったんだ!「Unstoppable / アンストッパブル (2010)」の作りはこれを少し真似たんだろうと思いましたよ。というか、この映画の前にゴッドハンド洋一というコントをやっていたモンスターエンジンも凄い!腕だけモンスターになっちゃうコント。まさにこの映画じゃないですか!!洋一は陽気だけど。多分モンスターエンジンが先だよね。随分と前からこのコント見ていたし、それはこの映画が話題になる前だったと思う。

しかしこの映画はかなりブラックテイスト。黒人という意味じゃなくて、鋭い風刺という意味のブラックテイスト。エイリアンは所謂地球外生物のエイリアンでもあるのだけど、よそ者や他国の移民を意味するエイリアンでもあるね。あのエイリアンは宇宙船が故障して何年も住み着いてしまう。そこはスラム化してしまう。アメリカでも他の国でも移民が住みつく場所はスラム化しやすい。そして変なあだ名付けられて軽蔑的な意味になる。この映画ではエイリアンはその容姿からエビと呼ばれる。そのエビ(Prawn)には元々馬鹿とかいう意味もある。しかも他の移民であるナイジェリアのギャング達がエビさん達が住む所で、エビさんが好物なキャットフードを倍の値段で売ったり、さらに売春等をして悪さをしていく。しかし人間はエビさんにお構いなし。スラム化してきたから、別のもっと環境悪い収容所にでもぶち込んで置くか...と、エビさん達に立ち退き要求。私だったらエビさんと交渉して宇宙船を直す事に協力するね。その変わりに技術を学べるし。そういう所が人間の上から目線が表れてましたね。そのエビさん立ち退き命令をしていく任務についたのが、どうも冴えない男のヴィカス。エビさん達の所を一軒一軒周り、立ち退き命令を呼んでサインを貰う。あの手でどうやってサインするのよ!!ってか、普通に会話してるのがもう強烈な風刺。でもそのヴィカスがエビさんの1人であるクリストファー(普通に人間の名前だし)が作った謎の液体を浴びてしまって、腕がエビさんへと変化してしまう。(ここがゴッドハンド洋一ね)。人間からは「エビ」と卑下されているクリストファーだが、凄い頭脳の持ち主。このクリストファーとヴィカスが協力していくんだけど、ヴィカスはそのナイジェリアのギャング達から武器を買ったりと無茶苦茶。そのナイジェリアのギャングのリーダーは下半身不随で、ウイッチドクターにエビのエキスは万病に効果があるといわれたり... 一瞬、アフリカの町が大きな赤い太陽に覆われたりと、アフリカ的な部分もあって面白い。とは言え、ナイジェリアの人々はこの映画でのナイジェリア人の描き方に不満を抱いているようです。

最後はヤラレましたねー。お見事。もうこの映画の色んな部分が様々な意味に取れて素晴らしい。タイトルの「第9地区」だって絶妙!これから移動させる所を「第10地区」と言っているって事は、第9地区に至るまで別に8箇所同じような地区があったと思わさせる。ふむ。深いぞ。しかしこの映画を観た直後にエビを食べたくなって、食べた私はこの映画のナイジェリアギャングよりも凶悪かもしれませんねー。

ちなみに写真は南アフリカの有名な俳優でこの作品にも出演しているケネス・ンコースィ。エビさんに立ち向かう軍人役。

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(5点満点:DVDにてかっぱえびせんを食べながら鑑賞)