SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

I Can Do Bad All By Myself / 日本未公開 (2002) (Video) 621本目

あのマディアが生まれた瞬間がこの舞台である。マディアはハチャメチャで銃を片手に子供達を躾する、半端無くヤバイタイプのお婆ちゃん。銃をいつもバックに入れて離さないし、マリファナは吸うし、警察にはしょっちゅう厄介になっているのに、なぜか親戚のみんながこのマディアの家に集まってくるんですよね。なぜか人はマディアに吸い寄せられる。この私もその一人かもしれませんね。映画「Diary of a Mad Black Woman / 日本未公開 (2005)」でチェーンソーでソファーを真っ二つに割ったのを見て以来、大ファン。ホームレスから劇作家になり、今は立派な映画監督へと成長したタイラー・ペリー作で彼の代表キャラクターがマディア。スパイク・リーに「タイラー・ペリーの映画はエイモス&アンディ(ブラックフェイスの代表)の再来」とか批判されようが、私はマディアを応援してますよ。タイラー・ペリーのマディアには愛がある。そして筋も通ってる。まあ、キリスト教の教えを舞台で広めている人なので、キリスト教の教えを無理矢理叩き込まれるのは宗教に興味の無い私にはちょっと辛い所もありますけどね。「神が全ての答え〜〜!」なんていう熱いゴスペルを聞かされると、ちょっとしんどいですね。でも意外とキリストジョークは宗教に全く関心の無い私でも笑える簡単な物も多いですね。敬虔なキリスト教信者じゃなくても楽しめる故に、タイラー・ペリーのゴスペル映画は親しまれて興行成績も良いのかもしれないですね。もちろん敬虔なキリスト教信者も嬉しくなるような演出が沢山あるんですけどね。

という訳で、今週末から同名の映画化された作品が全米で公開予定です。主演はアカデミー賞助演女優賞にノミネートされる程になったタラジ・P・ヘンソン。彼女はタイラー・ペリーの「The Family That Preys / 日本未公開 (2008)」にも出演してましたね。今回は主役。メアリー・J・ブライジが久々に映画に出ているのも話題。しかも女性シンガーの先駆者のグラディス・ナイトと共演。2人が劇中に歌う事があるのか、まだ公開されていないで分からないですが、それも楽しみですね。

とは言え、タイラー・ペリーの劇作が映画化になる時には、設定もキャラクター設定も大体が変わるので、舞台映像を見ても仕方ないのは分かっているのですが、やっぱり映画公開前にはどうしても舞台のオリジナルの方を見て予習したくなります。この舞台はタイラー・ペリーにとって2作目となる作品。マディアの次にペリーの舞台で人気のあるキャラクターがミスター・ブラウンというデビット・マンが演じているキャラクター。そのミスター・ブラウンも登場しています。2人は同時に舞台で誕生していたのですね。ちなみにデビット・マンはコーラ役のタマラ・マンと実際に夫婦で、2人でカーク・フランクリンのグループ「ザ・ファミリー」にも居たので、彼のカーク・フランクリン・アンド・ザ・ファミリー名義のアルバムにもボーカルとして参加していたりするゴスペルの本格派。奇抜なキャラクターですが、実力派なんですよね。実際に舞台の映像を見ていても上手い。ブラウンとマディアのやり取りはまさに黒人特有の言葉遊びであるダズンズそのもの。

タイラー・ペリーも今やタラジ・P・ヘンソンとかメアリー・J・ブライジジャネット・ジャクソンアンジェラ・バセット、そしてシシリー・タイソンという超ビックスターを使えるまでになりましたが、この頃はまだまだ大変だったみたいで、この舞台が撮影されたワシントンDCのリンカーン劇場では水漏れで電気系統がやられて4日間も電気が使えず、リハーサルなども出来ない状態。このリンカーン劇場は1920年代に出来てワシントンDCの黒人文化を支えた場所。数々のスーパースターがこの舞台に立った。古くはルイ・アームストロングデューク・エリントンビル・コスビーや最近では同地出身者のデイブ・シャペルもここでHBOスペシャルを撮影した劇場。

そして舞台と言えば、幾ら練習していても起きてしまうハプニングがつきもの。そこでアドリブでどう俳優達が切り抜けていくかも楽しみ。今回はそういうボーナス映像も多いのが面白かったですね。

ま、いつ見られるか分からないですが映画版も楽しみです!

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(4.5点/5点満点中:DVDにて鑑賞)