Cast >> Vincent Cassel (Vinz), Hubert Kounde (Hubert), Said Taghmaoui (Said), Abdel Ahmed Ghili (Abdel), Solo (Santo) ...
Director >> Mathieu Kassovitz
Writer >> Mathieu Kassovitz
Producer >> Christophe Rossignon
Genre >> Crime
Country >> France
総合ポイント >> 4.5/5点満点
Contents >> 4 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 4
Hater
パリ郊外のバンリューで暴動が起こり、アブデュルが警官の暴力により重体となった。アブデュルの友人であるアラブ系のサイード(サイード・タブマウイ)とユダヤ系のヴィンス(ヴァンサン・カッセル)とアフリカ系のユベール(ユベール・クンデ)の3人は病院に見舞いに行くが門前払いされた。ヴィンスは暴動でなくなっていた警察の銃を持っていた...
「憎しみ」よりも空しさを感じる。メディアがあまり伝えないフランスを何気なく伝えてくれている。また役名が役者の名前と同じだったりするのでドキュメンタリータッチであり、現実離れしたモノクロで作っている辺りに面白さを感じる。何気ない話しをモノクロで撮っている点はチャールズ・バーネットの「Killer of Sheep / 日本未公開 (1977)」にも通じる部分がある。
主役の若者3人は、移民2世である。彼等は親の祖国に対して何も感情を持たず、自分達の国であるフランスには不満を抱えていて、遠い国アメリカに思いを馳せている。監督自身もアメリカに影響を受けているようで、主人公に映画「タクシー・ドライバー」の台詞を言わせたり、スパイク・リーで有名なトラッキング・ショットを使ったりしている。この時代に映画を撮っていたアメリカの新進監督とは違って、エンタテイメント性を排除しているのも面白い点だ。ただ、同じ時期のアメリカの監督は音楽の使い方に独創性を感じるアンダーグラウンドを感じたが、さすがにカソヴィッツの音楽の使い方にはポップでメインストリームさを感じる。そういう点がアメリカとの違いも感じて面白いだろう。違うといえば、アメリカでは同じ状況とは言えあまり他人種が絡む事は少ないが、フランスでは絡みあっている。
トイレでの老人の話しや、酔っ払いとの絡みなど、映画には直接関係ない何気ない会話がより一層この映画を現実的にしている。またヴィンスが「あいつ(ユベール)は考えすぎだ」と言う。この映画でのユベールは一番地に足の着いた男だ。その何気ない台詞にバンリューの問題点をも見た。
(Unknown, 12/26/08:DVDにて鑑賞)