ショート映画です。「Birmingham Black Bottom」というタイトルでこの「Music Hath Harms」と他3本の計4本入りのDVDで発売されてました。今は多分絶版です。この4本ショートが入ったクリスティ・フィルム・カンパニーが製作シリーズが、オール黒人キャストに於ける最初のトーキーとなります。多くの本なのでは「ハレルヤ!」というのが一般的になってますが、正確にはこちらになります。しかも、この作品じゃないのですが「Melancholy Dame」という作品は、クレジットこそされてませんが、出演している俳優スペンサー・ウィリアムスが監督したというソースが至る所に存在し、そうなるとオール黒人キャストというだけでなく、黒人監督による最初のトーキーとなった訳ですね。まあ、でも「Library of Congress copyright」には、別の白人監督がクレジットされています。まず、1929年の「ジャズ・シンガー」という作品でトーキー映画が紹介されてからは、ハリウッド中の映画会社がトーキー映画に夢中になり、このクリスティ・フィルム・カンパニー(アル・クリスティの)も例外でなくトーキー映画を撮影しようと、スペンサー・ウィリアムスとは俳優としてでなく、サウンド・テクニシャンとして契約を結びます。そこで、南部の映画でトーキーを製作しようとしたクリスティは、ロケーション探しに脚本家のアルフレッド・コーンと、南部出身のスペンサー・ウィリアムスを行かせます。そこで才能を見せたウィリアムスは、そのシリーズの台詞を殆ど書いていると言われてます。中々面白い経緯でしょ?このDVDには入ってませんが、「Tenderfeet」(こちらはトーキーじゃないです)という作品もスペンサー・ウィリアムスが監督したのでは?という事。
話を戻してこの作品...
中々面白いです。南部の「ハイ・ソサエティ」のお話。学者達が主役なんですから。とは言え、でも普通の人々ももちろん出てくるので中々面白いんですよ。すでに「バーバーショップでの会話」なんていうシーンも見られるんですから。
まあ、随所に当時の白人の人が書いたとは思えない部分があり、スペンサー・ウィリアムスの「俺の生き様を見ろ」的に作品に絶対に自分だと分かるような証拠を残した部分に、思わず感動してしまいます。
感想はこちら。
(4.25点/5点満点中:DVDにて鑑賞)