久々に見ました。この頃のTNTというチャンネルは、割りとブラックヒストリーに拘った映画を作っていたのかもしれないです。1997年の「Buffalo Soldiers / 日本未公開 (1997)」という映画もTNTが製作していた。普段のTNTは、男くさいチャック・ノリス系... なんていうか、昔のテレビ東京のお昼の映画番組を思わせる映画をチョイスして放送している。そんなチャンネルが、こんな繊細な映画を作るとは意外なんですよ。「TNT」という意味が、爆発を意味してます。うちの近所のソウルフードレストランのイメージキャラは、トリさんです。そのトリさんの胸には「DYN'O'MITE」という文字が入っていて、「TNT」と書いてある爆弾のスイッチを押してます。これまた、あのスーパーフライの続編のタイトルも「Superfly TNT」でしたよね。ビデオのジャケは、ロン・”スーパーフライ”・オニールのバックは、燃えている炎の絵。そんな感じが「TNT」です。ま、でも本当は「Turner Network Television」の略なだけなんですけどね... 偶然なのか?そんな「TNT」な感じです。
TNTの説明が長くなりましたけど...
1960年代の深南部ミシシッピが舞台。このミシシッピという州は、公民権運動を行っていくうえで一番手ごわい州だった。活動したくても中々出来ない...そんなジレンマをこの映画では良く表していたと思います。昨日書いたグリン・ターマンが演じる近所で理容師をしているTボーンは、その下準備としてコーラを毎週あげる事で若い子を呼びレクチャーをする。でも、主人公のオーウェンが活動で突っ走ろうとすると、いち早く察知して止める。長い事、その時を待っていた筈のTボーンが、「今はその時じゃない、待つんだ」というシーンが、そんなミシシッピの状況を物語ってますね。
また映画には、公民権運動で活躍したSNCC(学生非暴力調整委員会)に、NAACP(全国有色人種向上協会)に、CORE(人種平等会議)と言った運動団体の名前が沢山出てきます。それぞれの専門分野を生かして、地域単位で行われていた公民権運動でどのように貢献していったかが、良く分かる映画です。
さらには、世代毎にどのように活動していたか..も分かります。キャスティングが中々豪華で、主人公の親の世代を演じたのが、先ほどのグリン・ターマンに主人公の父を演じたのがダニー・グローバー、お母さん役にロレッタ・ディバイン、活動家を演じたのがヴォンディ・カーティス・ホール。若い高校生を演じたのが、主人公のヴィセロアス・レオン・シャノンにジェイソン・ウィーバー、ウェイアンズ家からもダミアン・ウェイアンズがちょこっと出てます。後は、マイケル・ジェイ・ホワイトやスタン・ショー等も出てる。親世代の俳優がかなりいい感じです。ジレンマと差別に耐える姿、そして息子達を心配する姿など、難しいのによく表現されてました。
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(4.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)