「The Help」への批判
ヴァイオラ・デイビスが出演している「The Help / ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜 (2011)」は興行成績で成功を収めているが、黒人映画ファンの間では批判が出ている。その批判は大体「The Blind Side / しあわせの隠れ場所 (2009)」と似ている。この映画は白人のキャスリン・ストケットが書いた同タイトルの小説が映画化された作品で、公民権運動の1960年代のミシシッピを舞台にエマ・ストーン演じる若き作家が、ヴァイオラ・デイビス演じるメイドの裏話をインタビューしていくうちにミシシッピの差別の実情を描いている作品。
なぜ白人の目を通し公民権運動が描かれ、そして白人女性が貧しい黒人達の救世主として描かれているのか?
作家で学者のメリッサ・ハリス・ペリーは映画についてこう語っている。「これは黒人女性の人生について語られた映画じゃないわ。リアル・ハウスワイヴス・オブ・ジャクソン・ミシシッピ(主婦が主役のリアリティショー)ね。(映画の中で黒人女性の肖像が)レイプされ、リンチされたの。コミュニティは燃やされたわ」と語った。
またヴァイオラ・デイビスがメイドを演じた事については「この2011年にヴァイオラ・デイビスが切り詰めてメイドを演じなくてはいけない事がもっとも許せないわ」と話している。映画について批判が集まる中、ヴァイオラ・デイビスに関してはみな擁護しており、俳優のウェンデル・ピアースも映画については「辛くて見ていられない。自分のお婆ちゃんの事を思う」と書いているが、ヴァイオラ・デイビスとオクタビア・スペンサーについては「驚かされぱなしだった。彼らが映画に貢献したのは芸術的」と語っている。
http://blacksnob.com/snob_blog/2011/8/11/melissa-harris-perry-hates-her-some-help.html
AVB: Why Does Hollywood Keep Making Movies Like The Help?!?
http://www.thefrisky.com/post/246-racist-or-raving-what-critics-are-saying-about-the-help/
口の悪いゴシップサイト「Bossip」は「黒人の前で公言してはならない映画10作」をこの作品をきっかけに選んでいる。このリストは面白いし、本当にその通り!
また原作者のキャスリン・ストケットが、ヴァイオラ・デイビスが演じたアイビリーンのモデルとなったとアビリーン・クーパーから許可なしにモデルにされたと訴えられたが、その訴えを裁判所が退けた。アビリーンは「彼女(ストケット)は嘘つきだわ。彼女は使ったのよ。彼女は知ってるくせに」と怒っている。しかし「本ではアビリーン・クーパーの名前は使っておらず、アイビリーン・クラークを使い、アビリーンは2011年の現在でミドルエイジだが、アイビリーンは1960年代でミドルエイジだった」という事で訴えを退けられた。ストケットは2009年のインタビューで「書いている時にはみんなが読むなんて思わなかったので、クリエイティブな名前が浮かばかなかった。だから知っている人を使ったの」と話している。
http://www.eurweb.com/?p=125551