C'mon girls, let's go show the guys that we know
ソルト(シェリル・ジェームズ)とぺパ(サンドラ・デントン)という塩コショウデュオに、DJのスピンデレラ(ディードラ・ローパー)という3人によるラップグループ「ソルト・ン・ペパー」。未だに、ラップグループというべきなのか、ラップデュオと呼ぶべきなのか悩む。ライフタイム・チャンネルにて放映したこの自伝映画を観れば答えが分かるはずーと、意気込んで観ました。なんと、あのマリオ・ヴァン・ピーブルズが監督でございます。
2005年6月、ソルトことシェリル・ジェームズ(GG・タウンソン)と、ぺパことサンドラ・デントン(レイラ・オドム)は、VH1放送のヒップ・ホップ・オーナーのリユニオンで一緒の舞台に立っていた。だが、2人が再会して話すのは実に4年ぶりであった。遡ること1985年、クイーンズ区コミュニティ大学の看護学科にて、シェリルとサンドラが出会った。2人は意気投合し、一緒にシアーズの電話カスタマーセンターで働き始めると、そこには後のキッドゥン・プレイというコンビを組むクリストファー・リードとクリストファー・マーティン、コメディアンとなるマーティン・ローレンス、そしてミュージックプロデューサーを目指し学校に通っていたハービー(クリーブランド・バートー)がいた。ハービーと付き合い始めるシェリルは、ハービーの手伝いでレコーディングをすることになる。
女性同士が仲良くなっていく様がリアル。ああいうノリはすごく分かる。逆に話さなくなったりで離ればなれになっていく様もリアル。友達が働く場所も一緒になったら、色々と見えてああいう風になっていくんだろうなと。そして、何よりも80年代のヒップホップ界が賑やかで明るくて最高。キドゥン・プレイとマーティン・ローレンスという人物が、デビュー前から知り合いだったというエピソードは、それだけで強烈だ。そういうインナーサークルに恵まれたからこそ、デビューして世界に羽ばたいていける。80年代のヒップホップ界のエピソードが満載で、ぺパとファットボーイズのプリンス・マーキー・ディの話も良かった。時代とともに、ノーティ・バイ・ネイチャーが出てきて環境が変わっていく。2人ともに随分と男性たちに振り回されてきた。そしてそれが2人のキャリアの浮き沈みに影響していく。ミュージシャン物語では、割とありきたりかもしれないが、みんなどこも同じ感じなのだろう。
製作者の1人がソルト・ン・ぺパと同世代で一緒にヒップホップ界を駆け抜けてきたクイーン・ラティファ。彼女たちが駆け抜けてきた時代、そして一緒に抱えていた悩みや苦悩を切に感じる。
(4.25点:2/19/21:1793本目)
Salt-N-Pepa / 日本未公開 (2021)