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Time Is Illmatic / Nas/タイム・イズ・イルマティック (2014) 1334本目

Nasはデビュー前から凄かった。と、私は記憶している。ようやくアルバムが出るのか!的な、期待値100%どころか1000%だったように記憶している。実際に1994年に発売された「Illmatic」は、最高にして最強10000%なラップアルバムだった。

そんなラップアルバムの古典となった「Illmatic」が発売されるまで、そして発売されてからの影響をNasや他のアーティスト、そしてアルバムに関わったプロデューサー達が語るドキュメンタリー。

8年生か9年生(日本で中学2-3年に相当)で退学しちゃったNas。絵などのアートな授業は得意だったようだが、他のがダメだったらしい。Nasを特別クラスに入れる事も検討されたらしいが、親がそれを拒否。結果、学校を中退。でもお父さんが所有していた本が家には満ち溢れていたそうで、小さい頃からマルコムX自伝やらを読んでいて、聖書はもちろんの事コーランまで読んでいたらしい。Nasの知的に聞こえるライムの源はそこだったのか!と、やはりミュージシャンである父オル・ダラの影響を強く受けているのだ!と分かる。そんな父が明かす、Nasが小さい頃にはトランペットにハマっていたというエピソードが中々素晴らしい。しかもお爺ちゃんまでミュージシャンだったとは!この人には、相当数のミュージシャンDNAが入っていたのだ!と、強く納得した。

Nasが育ったクイーンズブリッジとサウスブロンクスが繰り広げた「The Bridge」と「The Bridge is Over」の”ブリッジ戦争”を語るNasは、当時に戻った感じでティーンの子が興奮して喋っているかのようで、面白く聞けた。ラップ草創期でありながら成熟したマイクの戦いをしていたブリッジ戦争は、Nasというラッパーを魅了し成長させたのが良く分かった。

そしてNasの友人の死。彼の死はNasをヒップホップへの道へと導かせた。するとやってくるのがチャンス。メイン・ソースの曲やMCサーチの曲に客演。「ラキムの候補者!」との声が高まった。しかし本人はそんなに急がずに、コロンビア・レコードと契約をして、アルバム制作へとこぎ着ける。しかも自分を評価し使ってくれたメイン・ソース(を脱退したばかりの)ラージ・プロフェッサーをプロデューサーに迎えた。更には”奴等は回想しちゃうよ”のNYのメロディアスな哀愁大人ラップと言えばこの人ピート・ロックに、”ジャズ持ってる”メンバーの1人Q−ティップ、更には泣く子も黙るギャング・スター”のDJプレミアをもプロデューサーに迎える。盆と正月どころか、クリスマスも夏休みもGWも一緒にきちゃった豪華さである。ラップの七福神がやってきた!と言っても良いだろう。良いアルバムになる予感しない。そして実際に神アルバムとなった。ヒップホップ専門誌「ソース・マガジン」の評価を表すマイクも最高の5本。これは逆にソース・マガジンが5本つけた所で、ソース・マガジンの5本マイクの評価が上がったという伝説つき。

そんな中学中退なNasは、今やアメリカのトップ大学ハーバードにて、あの有名な学者ヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニアに招かれて講義までしちゃうのだ。でも、地元でミドルネームが自分のファーストネームである「Nasir」という男の子に出会うと、滅茶苦茶中学生みたいに喜ぶNasも居る。「Nasirはキングって意味だ。俺たちキングだからな!そういう風に振舞えよ!」と少年に話す。少年、当然戸惑う...www

割りとオーソドックスなヒップホップドキュメンタリー。Nasファンにはたまらない筈。昔の映像とかも沢山あるし。ダイ・ハードNasファン、この時代のNYヒップホップ好きにおススメする!って、私はパブリック・エナミーでこの道に入ったんだけど、割りとサウス及び西派なんだなーと思わされました。Nasがライブ映像で「L!」って叫んだ時には、「おー、ビックLの事か!私も追悼L!!」と思ってしまいましたが、続いて「OVE」で「Love」でありました... なので今日の写真はこのドキュメンタリーには関係ないけど、若き日のNasと生前のビックLの2ショットばい!私がNYで最後にハマったのが、ロスト・ボーイズなんだよねー(多分。パッと思いついたのが彼等)。何してるんだろ?でもラップのライムの神様はラキムだと思っている。ずっと。

ちなみにNasはナズだけど、カタカナだと何か野暮ったいのでNasにしました。ご理解を。

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(4点/5点満点中:2/12/15:DVDにて鑑賞)