The greatest evil is convincing us that we have no choice. But choice cannot be taken away.
日本でも名作漫画『ベルサイユのばら』にもなったフランス革命下の時代。その時代に生きた「シュヴァリエ」(騎士)であるジョゼフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン=ジョルジュの自伝映画である。が、彼の名は『ベルばら』には出てこない。が、本作にはマリー・アントワネットやオルレアン公フィリップとかは出てくる。少し演出はありそうだが、中々興味深い話で分かりやすく面白かった。
フランス革命の前、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト名乗る人物が舞台の上で観客を前に気持ちよくヴァイオリンを演奏しており、観客からリクエストを貰っていた。多くの人がリクエストする中、一番後ろにいた男がヴァイオリン協奏曲4番をリクエストし、一緒に演奏したいことを申し出た。驚くモーツァルトだが快諾し、いつの間にか2人の演奏対決となっていた。そして時代は溯り、少年ジョセフは白人の父親にフランスのパリにある寄宿舎学校に入れられた。青年となったジョセフ(ケルヴィン・ハリソン・Jr)はヴァイオリンだけでなく、フェンシングにも長け、マリー・アントワネット女王に気に入られ、「シュヴァリエ」となったが、フランス革命が足早に近づいており、ムラトー(混血児)であるジョセフ・ブローニュに影響を及ぼしていくが...
ジョゼフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン=ジョルジュのことは知らなかった。『ベルばら』には出てこなかった人物だと思う。日本ではまず語られることは少ないであろう。上記に書いたモーツァルトのは恐らく話を盛っていると思われるが、その他のことは割りと分かっている史実通りぽい。というか、割りとウィキペディアと同じであった。冒頭のは「黒いモーツァルト」というジョセフの二つ名を表現したかったのかも。マリー・アントワネットやオルレアン公フィリップとの関係性もとても興味深く掘り下げたくなる。ムラトーだったジョセフ・ブロニューは、他の黒人からしたらかなり恵まれており、しかも才能もあった。それでもムラトーというだけで、実現できないことは多い。本作は、音楽家のジョセフ・ブローニュについて語られており、その中でもマリー・ジョセフィンとの関係に重きをおいている。本当なら点数で内容の部分も5点でも良かったのだけど、1点引いたのはその後のジョセフ・ブローニュも知りたかったから。最後のエンディングの字幕説明だけでは物足りない。そここそ面白かったかもしれないのに。という位に面白かった。ナポレオン酷い! 何なら『シュヴァリエ2』を作って欲しいくらいだし、『ベルばら』外伝で読みたい人物である。知りたい神経をかなり刺激された作品である。
(4.5点/5点満点中)