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The Tanning of America: One Nation Under Hip Hop / 日本未公開 (2014) (TV) 1208本目

こちらも2月の黒人歴史月間の時に4夜連続で放送されたドキュメンタリー。VH1にて放送。エミネムの成功などで知られるビジネスマンのスティーブ・スタウトの本「The Tanning of America: How Hip-Hop Created a Culture That Rewrote the Rules of the New Economy」を元に、ヒップホップがいかに成功を収め、ビジネスとしても浸透していったかを語る4時間。スティーブ・スタウトの進行と共にヒップホップやファッション界の著名人が語っていくドキュメンタリー。

冒頭がオバマ大統領のスピーチなので、着地点はオバマオバマ大統領になった瞬間だというのは容易く想像出来た。けれどオバマ大統領とヒップホップをどう結びつけていくのか?それが中々面白かった。オバマ大統領は得意のスピーチで、ヒップホップの言葉を使った初の大統領なのだ。「Shout out」やジェイーZの「Dirt Off Your Shoulder」等... それらを時系列で追っていくのだ。

まずはヒップホップの誕生。1973年8月、ブロンクスの1520 セッジウィック・アベニューで行われたハウスパーティにてヒップホップは誕生した。DJクール・ハークがDJしたりMCしたその場所はその日からヒップホップにとっての生誕地となったのだ。それから6年後、シュガーヒル・ギャングの「ラッパーズ・ディライト」が発売された。ラップが初めてニューヨークから飛び出たのだ。そして1981年にMTVの放送が開始。しかしラップが放送される事は無かった。なので彼等は独自の番組「ビデオ・ミュージック・ボックス」を開始する。番組設立者で司会のラルフ・マクダニエルズがあの「Shout out」を言うようになる。1986年にランDMCエアロスミスの「ウォーク・ディス・ウェイ」が登場。最大のヒットとなった。彼等は当時はファッションとして扱われる事なく、ただのスポーツ用のスニーカー「アディダス」が、ランDMCの「マイ・アディダス」により爆発的な売れ行きとなる。この時に初めて企業とラッパーが結びつく事になる。ラッパーにも商品価値があると、初めて認識させたのがこの出来事だった。

そしてラッパー達は若者達のファッションのモデルとなっていく。1988年頃には、ニューヨークに仕立て屋を構えていたダッパーダンがそれを担う。彼はグッチやMCMのカバンをジャケット等に早代わりさせたのだった。エリックB&ラキム等が着た事で、そのスタイルが流行していく。

その80年代から90年代に10代だったジェイZやディディは、ヒップホップとファッションが深くつながっているのを肌で感じていた世代。そんな彼等がファッション界に進出していくのは、ごく自然な事だった。

ヒップホップが多感な12歳の頃に誕生し、ちょうどティーンになった頃に「ラッパーズ・ディライト」に触れたであろうオバマ大統領。影響されて当然であった。オバマ大統領が大統領選に出た時に支えた人々はヒップホップの世代。彼等がヒップホップに触れた事で、多様で多種な文化に触れることも出来た。ヒップホップは黒人だけのものではなくて、白人、アジア人、アラブ人... 全世界の人のものになったからである。

って面白かったんだけどね、特に最初の2夜は面白かったー。創世記とパブリック・エナミーやNWAが出てきた1992年までのヒップホップの歴史。大好きなウェイアンズ家族の「イン・リヴィング・カラー(In Living Color)」の台本読みしている珍しい映像まであったからね!そしてヒップホップとは切っても切れない映画やTVシリーズの話なんかもあったしね。でもーーー、なんで全部ニューヨーク寄りなの??始めの方は当たり前だけど、後の方は... 西はドレが出てくるのでNWAとかスヌープとか出てくるけど、南部は全部外されたー!!マスターPすら出てこないなんてー!!マスターPは、B級映画を最初から作り上げたという点では、50セントよりも早かった。それこそファッションだって、今や日本人だってしているグリル(金歯)は、南部ラッパーが広めたじゃんかー!!と、意識的に南部が外された気がする。ちっ!

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(4.25点/5点満点中:2/24-27/14:TV放映にて鑑賞)