Thriller / 日本未公開 (2018) 1688本目
『ゲット・アウト』を超えられるのか?『Thriller』
『Get Out / ゲット・アウト (2017)』を大きく当てたブラムハウス。第2のジョーダン・ピールを探そうと、ブラムハウスも積極的になっている感じを受ける。その役割に抜擢された一人が、ダラス・ジャクソン。ジョン・シングルトン監督がBETと組んだ『Rebel / 日本未放送 (2017-)』というTVシリーズでプロデューサーをしていた人だ。とはいえ、まだまだ情報が少なく、本当に出たばかりの新進監督である。そういう人にもチャンスを与えるブラムハウスだからこそ、『ゲット・アウト』みたいな作品も生まれたんだと実感する。
ロサンゼルスのコンプトン。中学生ながら大柄なチョンシーは、好きなリサから呼ばれ、2人で廃屋に入った。それは、リサが他の子どもたちに頼まれて仕組んだ罠だった。チョンシーは吃音症で子供たちからイジメられていたのだった。逃げるチョンシーをひつこく追う子供たち。2階で揉みくちゃになったところ、チョンシーはアマニを推してしまい、アマニは転落死してしまう。チョンシーはその場で逮捕。時を経て、リサ(ジェシカ・アレイン)やあの時の子供たちはコンプトン高校に通い、高校生活をエンジョイしていた。しかし、リサたちの周りで物騒なことが始まり、風の噂でチョンシー(ジェイソン・ウッズ)が刑務所から帰ってきたという噂が広まり...
ブラックムービーのゼロ世代辺りに沢山あったB級...どころかC級、Z級... の映画を思い出した。正直。無名な役者たちが出ていて、舞台をコンプトンにしただけの... と思ったら、最後に「ほほほーう、そう来ましたか」となった。とは言え、『ゲット・アウト』ばりの凄さとか面白さとか上手さは全くありませんので、ご安心を。これね、ミスキャストだと思うんですよね。主役のリサとかチョンシーが「誰?」っていう感じなんです。脇のアンドレ役のテクアン・リッチモンドとかジーナ訳のペイジ・ハードの方がまだ知られている。2人は、クリス・ロックのイケていない中学ー高校時代を描いた『Everybody Hates Chris / 日本未放送 (2005-2009)』にて共演している。リッチモンドがクリス・ロックのイケていてモテモテの弟役で、ハードは確かクリス・ロックの家の隣の憧れの女の子だったと思う。という訳で、この2人がキャリアあるから、やっぱり上手いし、他と一緒だと浮いている(いや、浮いているのは彼ら2人以外なんだけど)。
で、高校生以外のキャスティングが微妙に豪華。『Fences / フェンス (2016)』とか『フォレスト・ガンプ』のシュリンプ・バッバで知られているマイケルティ・ウィリアムソンが刑事役で、デリックのママ役が『Coming to America / 星の王子ニューヨークへ行く (1988)』にてエディ・マーフィ演じるアキーム王子がNYに行く前に紹介された許嫁役のヴァネッサ・ベル・キャロウェイ、リサのママ役が『New Jack City / ニュー・ジャック・シティ (1991)』のウェズリー・スナイプスの軍団「キャッシュ・マネー・ブラザーズ」の女ギャング役だったヴァネッサ・ウィリアムス(Aの方。セデスじゃない方)だったりする。そしてウータン・クランのRZA先生がコンプトン高の校長先生!で、制作も担当。RZA先生は、監督作『Love Beats Rhymes / 愛・ビート・ライム (2017)』が良かったので、早く監督業に戻ってくださいまし!
とまあ、話題はあるホラー映画でした。