映画は暗いが黒人映画の未来は明るい!ダークな青春SF『Sleight』
手品師、ストリート・クライム、妹の世話、超能力、ブラムハウス、元J・J・エイブラムスの制作会社の会社員、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』ビジュアルエフェクト、LA... この映画に関する事を頭に入れようとすればするほど、私は混乱した。物凄く面白そうではあるが、正直プロットもポスターも予告を読んで&見てもイマイチ理解出来なかった。劇場で公開されたら見に行こうと思っていた。が... 私の住む田舎にはさーーーーーっぱりやってきませんでした!DVD待ち。ようやく見れた。やっと分かった!理解できた!最高じゃないですか、これ!!!
ボー(ジェイコブ・ラティモア)は、奨学金で大学に行く予定だったが、母親が亡くなり、妹の面倒を見るために今はLAの街角で路上手品パフォーマンスでお金を稼いでいた。それだけでは足りないので、アンジェロ(デュレ・ヒル)の下で麻薬売りをしていた。警察の目をお得意の手品で誤魔化す事もあった。ボーの腕には謎の大きな傷があり、無数の電池が捨てられていた。路上手品を見ていたホリー(セイチェル・ガブリエル)が電話番号を置いていったので、それを機に仲良くなる。しかし、アンジェロのテリトリーで別の売人たちが麻薬を売り始め、ボーはその始末をするメンバーに加えられ、ボーは犯罪の深みにはまっていき...
って、これで大体のプロットは分かるかな?ネタバレしてません。謎解きが面白かったし、なるほどねーというのが面白くて&凄くて、同じブラムハウス制作の『Get Out / ゲット・アウト (2017)』と同じパターン。『ゲット・アウト』が明るい面白怖いホラー映画なら、『Sleight』は暗くて愛おしいSF青春映画。『Blankman / ブランクマン・フォーエバー (1994)』から『The Fits / 日本未公開 (2016)』といった優しいお兄ちゃん系の映画が好きなので、そんな私の妹魂に火をつける”優しいお兄ちゃん系映画”でもありました!
手品師のフーディーニのポスターが雰囲気醸し出して良い感じでした。あと、アンジェロの下で働いているデブのラップが物凄く下手でダサかったのもリアリティあって良かった。『サタデー・ナイト・ライブ』を首になったサシアー・ザマタが親切な隣人役で素敵。コメディだけじゃなくて伸びしろがある。
監督が、J・J・エイブラムスのプロダクション会社の元社員で、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』ビジュアルエフェクトを担当したJ.D.・ディラードという新進系監督。インディで一本長編映画撮って、ショート映画を数本撮って、ようやくこの作品の制作にこぎつけた。デンゼル・ワシントンがアカデミー賞の前に語った事を実際に体験して実現させてみせた男!偉いです。次回作もブラムハウスで、『Dope / DOPE/ドープ!! (2015)』のキアシー・クレモンズとエモリー・コーエンを主演に迎えて『Sweetheart』というホラー映画が待っております!最近のブラムハウスは素晴らしい!そして、なんだか黒人映画の未来は明るい!そう強く感じてしまいました。黒人映画ファンとして、そういう映画に出会えると本当に最高っうううううううう!!!な気分になれます。自信もって薦めます。
Sleight / インフィニット (2017)(5点満点:1572本目)