Us / 日本未公開 (2019) 1684本目
ジョーダン・ピール監督が一番恐ろしい『Us』
『Get Out / ゲット・アウト (2017)』の大成功で一躍時の人になったジョーダン・ピール監督の最新作。またもやホラー映画。一応書いておくけど、元々はコメディの人。今回は『Black Panther / ブラックパンサー (2018)』のルピタ・ニョンゴとウィンストン・デュークが出演。そして、私は一体この映画をネタバレなしにこの映画の良さをどう伝えたらいいものか...悩んで私は1か月放置した(本当はそれだけじゃないけど)。というか、悩んだ末にこじれてしまい、どこからがネタバレなの?ネタバレって何?ルピタ・ニョンゴが主役と書くのもネタバレなんじゃね?(それはない)とか、拗れに拗れた。
1986年、まだ小学生くらいのアデレードは両親と共にサンタ・クルズ海沿いにあるカーニバルに来ていた。母(アナ・ディオップ)がトイレに行ったあと、父(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)はアデレードを見るはずなのにゲームに夢中になって、アデレードは時間を持て余した。両親から離れ、1人でふと入った「ヴィジョン・クエスト」という館。そして現在、アデレード(ルピタ・ニョンゴ)はゲイブ(ウィンストン・デューク)と結婚して、娘ゾーラ(シャヒディ・ライト・ジョセフ)と息子ジェイソン(エヴァン・アレックス)に恵まれ、サンタ・クルズの別荘に来ていた。そして夜、自分たちにそっくりな4人組がアデレードたちの別荘に訪れる...
と、ここまではOKですよねー。上の☝パラグラフは常に冒頭から書くようにしているけれど、今回はネタバレになりそうな所は削除した。冒頭からもーーーーー色んな伏線が沢山ありますよ。冒頭からその煽り方が上手い。で、『ゲット・アウト』でも古い形のテレビで古い映像を見るシーンがありますが、今回もテレビセットが出てくる。『ゲット・アウト』はテレビとか50年代とかその辺ぽい印象だったけれど、今回は最初の舞台である80年代のテレビ。テレビ台に飾ってあるのが、ビデオテープのとあるホラー映画たち。そのタイトルとかにすごくジョーダン・ピールらしい拘りを感じました。というか、笑いました。
そして『ゲット・アウト』ではSNSでのファンの熱いアートなどが、大ヒットに貢献しましたが、ピール監督はそれを分かっていたようで、今回は先手を打ってそれを宣伝に使っていた。SNSに溢れているアマチュアやセミプロ系のアーティストたちに「絵を楽しみにしてまーす」というメッセージと共にプロモを送って、沢山描いてもらうように仕掛けていた。というのも、私はインスタで沢山のアーティストをフォローしているので、それを知った。ピール監督上手いなーと。でも、今回はネタバレ厳禁ってことで、アーティストにとってはどこを描けばいいのか?が意外と難しい部分だったりで、『ゲット・アウト』ほどは盛り上がらなかったかな?
主役のルピタ・ニョンゴの役作りが素晴らしい。最後まで翻弄される。そんな中、ちょっとだけコミックリリーフというか、抜けているというか、憎めないちょいダサパパを演じたウィンストン・デュークも最高。娘と息子も見せ場があって良かったです。息子のマッチのシーン良いですね。
そして今回の『Us』は完全にホラー映画ファンの為の映画!『ゲット・アウト』は割りと人種ネタをホラー映画に忍ばせたけれど、今回は違う。人種ネタは少な目(無い訳ではない)。ホラー映画のオマージュとかそういう方が多め。なのでホラー映画苦手な私にはちょっと分かりにくい。『ゲット・アウト』のコットンとかの方が私向きネタ。ネタバレ解禁になったら、プラカードおじさんの事とか書きたい。何はともあれ、ジョーダン・ピール監督はホラー映画の鬼才と言っても過言じゃないことは分かった。今回もゾクゾクする怖さ。こういう良質ホラーを作り続けるジョーダン・ピールの才能が一番恐るべし!ではある。
(5点満点:1684本目)