Tangerine / タンジェリン (2015) 1507本目
『Prince of Broadway / 日本未公開 (2008)』が中々だったショーン・ベイカーの作品。白人の監督ですが、今回も主役は黒人と中東からの移民。前作がニューヨークのど真ん中が舞台だったので、ニューヨークにこだわりがあるのかな?と思っていたんですよね。そんな感じの作品だったし。けれど、今度はロサンジェルスのど真ん中が舞台。ハリウッド周辺。しかも全編をiPhone 5sだけで撮影し、話題。これに出演のマイア・テイラーが色々な所で賞も受賞していて話題。と、色々と話題。
最初はね、女性らしき2人が物凄く口悪く話している。なので私も「ヤダなー、怖いなー、変だなー」と稲川淳二になっちゃう。口の悪さにひいてしまいます。女性らしきと書いてしまったのは、一瞬ではトランスジェンダーとは分かりにくいほど完成度が高い。シンディ・レラの方は顔のアップだけなら女性にしか見えないもん!だから、こういう女性いるもんねと思ってしまったんですね。実際居るし。後の会話から、「あ、やっぱりトランスジェンダーなんだ」と分かった位。いや、すぐ分かれよ!っていう話なんですけど。
途中から急に2人が好きになっちゃう!私が落ちた瞬間は、シンディ・レラがアレキサンドリアのパフォーマンスの時間に気づき行った所かな。あの時から、「あらやだ、可愛い!」ってなりましたわ。そしてラストですよ。これは最高。あれ思い出した。イギリス映画で一番好きな『マイ・ビューティフル・ランドレット』。出る映画が全てが佳作となるダニエル・デイ=ルイスだけど、今でも彼の一番の作品は『マイ・ビューティフル...』だと思っている。その位、この映画のラストシーンは美しい。偶然にもこの映画のラストはランドレット(コインランドリー)。
(4.5点/5点満点中)
Tangerine / タンジェリン (2015)