宅配レンタルNETFLIXがニーナ・シモンのドキュメンタリーを制作!わお。
1人娘のリサ・シモン・ケリーが隠すところなく話しており、とても内容が濃い1時間半。それだけでなく、もちろんニーナ・シモンがミュージシャンとして如何に優れていたかも、沢山話されている。神童とも呼ぶべき、小さい頃からピアノの才能に溢れていたニーナ。最初は教会で弾いていたが、それを聞いた白人女性がピアノの先生になってからは、クラシックに転向。バッハとか弾いていた。しかし厳しくピアノを弾かされた事で、子供時代なのにそれらしい思い出がピアノだけになってしまった。しかし白人女性から習った事は悪い事だけではなく、彼等の支援によりジュリアードに入学。1年半はその支援で通えたが、お金がなくなり、別の音楽大学に奨学金申請するも落とされる。仕方なくクラブでピアノ演奏で食べて行こうとしていたが、歌わないと首といわれ、またもや仕方なく歌う事になる。凄いよね、彼女のキャリアが全て「仕方なく」始まっているのだから!ミュージシャンで食べていける人が居てもわずかなのに!!
バーミングハムでの教会爆破で亡くなった4人の少女の為に書いた曲「Mississippi Goddam」を境に公民権運動に参加。それはニーナを色々な人物と結びつけた。セルマからモントゴメリーの行進の時にもハリー・ベラフォンテに呼ばれて「Mississippi Goddam」を歌った。しかもマルコムXの未亡人ベティと子供たちがニーナの隣の家に住んでいた。ベティと子供たちはニーナと娘と家族ぐるみのお付き合いをしていた。ので、この作品でもマルコムXの娘たちが「ニーナおばさん」と呼び出演し、思い出を語っている。
しかし一方で色々な問題がニーナに蓄積されていってしまう。家庭内暴力に多忙による疲労。イライラしていて怒ってばかり。周りに怒鳴り散らし、ステージをすぐに去ってしまう事さえあった。そして家庭内暴力は増す一方。夫のアンドリューはマネージャーでもあり、彼女のキャリアにも口うるさかった。心休まる時はなかった。そして彼女は逃げ出してしまう。リベリアやスイス、そしてフランスなどに住んだ。しかし病気は進んでいく...
自分の音楽を語る時のニーナが物凄くカッコイイ。公民権運動には真剣で「自分の事、そして自分の人種に興味を持って貰えるように、曲をパワフルにした」と語り、そして「時代を反映しないなんて、アーティストと呼べるのかしら?」などなど...
ニーナ・シモンのファンは見るべき。いやファンじゃなくても見るべき!
(4.75点/5点満点中:7/3/15:VODにて鑑賞)